非難決議のご評価は?
北朝鮮に対する非難決議が国連安保理で採択された。日本が主張していた国連憲章7章に基づく制裁決議ではなかったが、日本発案の決議が採択されたのは初めてであるし、ま、最初に強く出なければここまで持ってこられなかっただろうから、よく頑張ったなあと思う。なにしろ日本はいまだ敗戦国で、資金は国連に米国についで負担しているのに常任理事国にもなれないんだから。確かに軍隊のない国が常任理事国になってもなあというのはあるが。
で、あれれ?と思うのは、報道の仕方である。
なんだか非難されているよ。安倍官房長官とか麻生外相とか。(なぜか小泉ではない)
一貫して言われているのは日本外交の失敗なんだけど、何を持って失敗なんだろう。制裁決議じゃないからですか? 中国に譲歩したからかい? 中国と交渉できなかったから?
ま、読みが甘かったとかそういうことはあったと思う。外交音痴というのもわかる。日中関係は冷え込んでるしね。しかし、考えてみたら、中国が賛成するわけないし、ロシアはアメリカのいうことなんて聞きたくないし、アメリカはイラク戦争やイスラエルなどの負い目があるし、っていう力関係の中で、日本ができることは、一番こうなってほしいということを粘り強くいうことだけなんじゃないかい?
不思議なのは「一週間前は強硬路線だったのに(何でこの結果なのか?)」という論調。
あの・・・交渉ごとなんですけど。あなた最初から手の内みせますか?
組合交渉だって、ずうっと自分の主張を言い続け、最後のトップ交渉で決めるもんだ。それまではなんだかんだ自分の主張を貫くし、本当は落としどころだと思っていた内容だって「妥結やむなし」っていうだろが。
麻生外相がテレビに出て、北朝鮮への制裁についてちょうどマンギョンボン号の入港禁止を決めたころに、次に何をするか聞かれて「手の内はみせられない」と答えていたんだけれど、当たり前だと思う。もうだめだと思っても、ある程度、自分の主張をいわなければ、相手だってなめてかかるに決まっているのだ。当然、中国に押し込まれたんだろうし、そこはなさけないかもしれないけど、もし制裁決議だったら、戦争までいくかもしれないわけだし…。
安倍官房長官が次期首相にふさわしいとは思わないが、今回のことは「頑張らなかった」という評価にはならないんじゃないかと思うね。もち、素人考えですけど。