« オリンピックとグルジア紛争 | Main | 今日のグルジアと大統領選+チベットメモ »

August 19, 2008

グルジアと米大統領選 その2

Reuters  Russian military unit leaves Georgian city
http://www.reuters.com/article/topNews/idUSL768040420080819

産経 露軍、ゴリから撤退開始か
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080819/erp0808192136012-n1.htm

ま、産経は上記ロイター電を引いているわけだが、ちっとも撤退しないといわれていたロシア軍がようやく撤退するそぶりを見せているらしい。

そうはいってもロシア軍もそう簡単に撤退するわけがない。ということでこんなニュースも。

産経 露軍が撤退開始発表 グルジア情勢、焦点は「平和維持部隊」
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080818/erp0808182150006-n1.htm

ゴリに駐留していたロシア軍司令官は17日、フランス通信(AFP)に「ロシア軍が撤退する代わりにロシアの平和維持部隊が進駐する」と述べ、平和維持部隊による警戒活動範囲を一方的に拡大する可能性があると指摘されていた。

CNN ロシア大統領、グルジア指導者を「馬鹿」と非難
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200808190003.html

メドベージェフ大統領は、グルジア国境に近い北オセチア共和国の首都ウラジカフカスの軍本部を訪問し、「(グルジアの)馬鹿な政治家らは、利己心を満足させるため無実で無防備な人々を殺す準備をしており、住民駆逐という最悪の方法で複雑な問題の解決を図る無能さを補おうとしている。こうした犯罪が見逃されないよう、われわれは最善を尽くす」などと述べた。

メドベージェフ経由プーチン、強気すね。周囲ではグルジアがCISを脱退したり、NATOへの加入手続きが進みそうだったりという動きがあるんだけど。

産経 グルジア脱退、独立国家共同体(CIS)解体も
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080819/erp0808191952007-n1.htm

CNN NATOが緊急外相理事会、対応策協議 南オセチア武力衝突
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200808190026.html

長官はNATO加盟国に対しグルジアへの軍事協力の拡大を要請し、グルジア軍兵士の訓練強化も求める見通し。また、グルジアとの関係を深める「NATO・グルジア委員会」の恒久的設置も促す。

共同 NATO、対ロ関係見直し  グルジア支持を表明
http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008081901001187.html

日経 スウェーデン首相、ロシアとの軍事協力凍結を発表
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080819AT2M1902019082008.html

しかし、国際問題の専門家たちの間では「ロシア有利」が一般的のようで、だから強気なのかも。確かに、進攻している側が、今後の条件闘争のカギを握っているのは間違いないので、もしアメリカがカギを握りたければ、ロシア軍を攻めるしかないわけだ。それは無理だろうしな。

地政学を英国で学ぶ 奥山さんのブログ
ロシアの大勝利?
http://geopoli.exblog.jp/9322315/

これは特に軍事/戦略系の意見なんですが、今回のロシアのグルジア侵攻は、ロシアにとって素晴らしい成功だったという見方が大半を占めております。
(中略)
今回の紛争はロシアがNATOのコソボ独立推進の時に使われたものと全く同じレトリックを使って正当化したわけですが、なんとこれを国連に持ちかけております。外交的にも先制攻撃をはじめたわけですね。うまいもんです。
(中略)
彼にとって有利なのは「ロシアのナショナリズム」と「豊富な資源のコントロール」の二つだけ。逆にいえば、このどちらかが駄目になると彼の運命も危うくなるわけです。

確かにロシア軍は素早かったし、戦術的には文句をつけようの無い成功だったかも。それにプーチンは毎度のことながら、西側の論理を使うのがうまい。MD計画のときもそうだったし。

そういうわけで今回の件はロシアが勝利しているのかもしれない。というかアメリカとEUの負けなのかも。で、その原因はライスだそうで。

国際戦略コラム
米ライス国務長官の失態
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/200816.htm

弱腰は、ヒットラータイプのリーダには一番いけないことは、
歴史が証明している。プーチンはヒットラータイプである。
(中略)
戦争好きなチェイニーしかこの危機を乗り越えられない。妥協は次
の妥協を生むだけである。テロ戦争はいけないが、ロシアとの通常
戦争は戦う覚悟が必要である。そうしないと、次々と付け込まれる
ことになる。

チェイニーねえ。グルジアを通るBTCパイプラインには増強計画があって、それはチェイニーのハリバートンが担当するらしいっす。だから、チェイニーに落とし前をつけてもらうってのも手かもしれないが、第3次世界大戦が起きちゃうかも。

で、覚書さんがロシア側の見方を。

今日の覚書、集めてみました
たまにはロシアの言い分でも 1
http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/391fe2f992875160a75cb22111dce821
注)2まであります。

西側の報道だけみているとグルジア側に傾きがちだけど、確かにロシアが悪いかどうかなんてわからない。死者1500人ってのはロシアの攻撃じゃなくて、グルジアの攻撃だったということなんだけど、最初の報道でもそういわれていたけれど、だんだんぼやかされてきている。

それに、ロシアの侵攻だって、アメリカがイラクでやっているのとそう変わらないし。今のところ、イラクの一般市民の死者はグルジアよりずっと多いわけだ。

そんなわけで、いろいろ考えるに、今回の紛争は「ロシア完全復活」の狼煙ではないかと思えてきた。経済だけじゃなくて、エネルギー面でも、軍事面でも復活したっていう。もうアメリカだけが超大国のままでいることはできなくなったし、多分これからは、中国も入ってもっと複雑な国際関係になるんだろう。大変な時代になりそうで怖い。

大統領選、ちっとも関係ないじゃんって?

いやいや、今回のことって、オバマが最も弱い「外交」をうまく突いているわけで、しかもオバマの休暇中に始まったわけだ。オバマが休暇に足を取られているころ、マケインが強気なことを言った。それでマケインは点数を稼ぎ、支持率ではオバマと並んだり、抜いたりしている。

こりゃちょっと怪しくないですかね? ロシアもアメリカもあまり得がないこの紛争で得をするといったらマケイン。田中宇さんのメルマガでも、その疑いが記されていた。

田中宇の国際ニュース解説
★米に乗せられたグルジアの惨敗
http://tanakanews.com/

 グルジアが侵攻したタイミングについて、アメリカの分析者の間では、別の分析も出ている。8月7日が選ばれたのは、翌日から米大統領選挙戦で優勢な民主党オバマ候補が、夏期休暇で故郷のハワイに戻って選挙活動を1週間休んだためであり、ブッシュ政権が、共和党マケイン候補を挽回させるために、グルジアのサーカシビリを焚きつけて侵攻させたという推測である。
http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2008/08/12/EDCD129NI4.DTL

そして前門の虎に後門のオオカミなわけで、ヒラリーが静かにオバマ沈没を狙っているのではないかとの私の懸念を、原田武夫さんも語っているわけだ。

元・外交官・原田武夫の「国際政治経済塾」
再論・ヒラリーは本当に“撤退”したのか?
http://money.mag2.com/invest/kokusai/2008/08/post_76.html

ところが、帰国したオバマ候補を待ち受けていたのは、「傲慢」「まだ選ばれていないのになぜ大統領ヅラをするのか」といった激しい非難だった。しかも、共和党のマケイン候補はオバマ不在の国内でしっかりと練り歩き、着実に支持を広げたのである。焦るオバマ候補は少しでも支持層を広げるべく、対イラン政策、原油政策などで次々と「方針転換」を公表。これがまた「CHANGE(改革)といっていたから票を入れようと思っていたのに」という若者層を中心に、激しいオバマ離れを起こしてしまっている。
(中略)
もっと決定的であったのが、党内規定に違反する形で早々と行われたフロリダ・ミシガン両州における予備選の獲得代議員数を、来る8月25日〜28日に行われる民主党大会では完全にカウントして欲しいとオバマ候補が言い出したことである。これではせっかく差をつけたはずのヒラリー・クリントン女史が息を吹き返してしまう。いや、オバマ候補の手によって、ヒラリー・クリントン女史が「大統領候補」になってしまいかねないのである。その先には、先ほど述べた「第3の結果」が見え隠れする。

そうだよねえ。何かおかしいんだよなあ。何だろう。オバマの選対の問題かもしれないけど、ドイツの演説あたりから、とてもちぐはぐな感じがする。歯車が狂いだした感じ。

まあね、日本人だからオバマでもマケインでも、どっちが大統領になってもいいわけですよ。だけど、ヒラリーはねえ・・・。

オバマのほうは副大統領の発表も間近なようだが、頼むから、政治歴の浅い人を選ばないでくれ。負けるぞ。

NYT  Obama Ready to Announce Running Mate This Week
http://www.nytimes.com/2008/08/19/us/politics/19veep.html

ワシントンポスト Who's No. 2? Obama Keeps Everybody Guessing.
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/08/18/AR2008081802691.html

|

« オリンピックとグルジア紛争 | Main | 今日のグルジアと大統領選+チベットメモ »

ニュース」カテゴリの記事

米大統領選」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29180/42217358

Listed below are links to weblogs that reference グルジアと米大統領選 その2:

« オリンピックとグルジア紛争 | Main | 今日のグルジアと大統領選+チベットメモ »