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September 15, 2008

国家100年の計と金融資本主義

今日CNNを見ていたら「レクサスとオリーブの木」とかで有名なフリードマンが出てきて、これからはグリーンであると訴えていた。つまり環境に優しい製品を発明し、利用することで、経済は活性化できると。それを主張しているのは、ドライブシーズンでもガソリン税を下げるという主張を否定したオバマだと言っていたんだけど。

で、日本は環境とかには強い訳だ。何しろエネルギー資源がないから、とりあえず高効率を目指す。一時、もうこれ以上効率化できないといわれていたエアコンだって、トップランナー方式の導入で格段に進化したわけで。ストイックなまでの開発意欲というのは、日本の長所でもある。電気を作るところから使うところまで、国内では必死で省エネを進めるし、省エネ製品を作るわけだ。エネルギーがなくて第二次世界大戦に負けたところもあるわけだし(それだけじゃないけど)、オイルショックも大変だったし、狭い日本で環境汚染もひどかったので、エネルギーとか環境には気をつけようという意思は日本人全般に共通にある(はず)。だから今のエネルギーブーム、環境ブームにはいい位置につけている。まあでも、どうしても世界展開には弱い。もうさあ、太陽光で中国とかドイツとかにやられてんじゃありませんよ(怒)。

そしてこのニュース。NYTの記事を受けて、議論が盛り上がっているっていうんだけど。

ギズモード
なぜ日本は超高速光ファイバーの愛を独り占めなのか?
http://www.gizmodo.jp/2007/10/post_2395.html

何故日本はそんな懸念そっちのけで財務上ペイする目処もない高速ネットワークの敷設にありとあらゆるキャッシュを投入してるんでしょう?

元記事はこちら。
Unlike U.S., Japanese Push Fiber Over Profit
http://www.nytimes.com/2007/10/03/business/worldbusiness/03broadband.html

アメリカはDSLなんだけど、日本はどうして採算無視で光ファイバーが引けるの?ってことで議論が盛り上がっているらしい。

議論はつきないようなんだが、私見を言えば、アメリカでファイバーが普及しないのは通信自由化でアメリカが結果的にAT&Tを潰したからだと思うな。通信は次々におこる技術開発に対応しての継続的なインフラ投資が必要で、しかも劇的な技術変化がこの10数年で起きたのに、その時期に競争を究極まで進めてしまった。新興通信会社は儲かるところに食いつくし、そこが競争が激しくなると利益が薄くなるため、最終的に儲かるところがなくなってしまう。そしてインフラ投資ができなくなる。特に家庭への光ファイバーはほとんど赤字なので、短期利益主義だと長期的な投資は難しい。

NTTは、AT&Tほどはバラバラにされなかった。持ち株会社でつないでいるし、通信の将来像も示している。インターネットの高速化の時期も、将来は光ファイバーだとして、DSLを選択しなかった。これについてはいろいろ批判もあったし、いい対応ではなかったと思うけど、結局、孫正義の活躍でDSLも普及し、そして光ファイバーも普及したわけだ。

そんなわけで、光ファイバーだけじゃなくて、DSLでも結構高速通信ができるという環境は、短期利益よりも将来の利益を見るNTTが中心にいて、若干の競争があったからこそ、うまく行ったんだと思う。アメリカはNTTを解体したかったみたいだけど、なんとかのらりくらり、しのいできたのが功を奏したと。弊害はいろいろあるけどね。ただし、ソフバンがいくら赤字でも、将来の利益があるという期待から、投資会社も高い評価を与えていたというのもあった。

結局、長期的視点で採算を考えることが、日本の環境技術や光ファイバーの普及に共通している点だと思う。

で、話は変わるんだけど、リーマンが大変らしい。韓国にも買収してもらえなかったリーマンは、とうとう国内で吸収するしかないかとバンク・オブ・アメリカいわゆるバンカメに買収させようとしたが、結局、バンカメとしてはメリルのほうがいいってことになったようだ。何しろリーマンは何もウリの無い会社らしいので。

ぐっちーさん
アメリカに見る金融再編
http://blog.goo.ne.jp/kitanotakeshi55/e/bae5424fd27b7efe870ef944511361bd

リーマンはその意味で何も無い会社です。株式などのブローカー上がりですからアメリカ金融資本や企業資本に重大なコネがある訳でもない。
ベアーのように特別なノウハウも持っていないし、特別な優良資産を持っている訳でもない。その意味では買ってもあまり意味がありませんね。個人顧客リスト位でしょうか、財産は。ですので、多分だれも買わないでしょう。

日本でリーマンといえば、印象深いのはライブドアのニッポン放送買収案件だ。リーマンはニッポン放送買収資金としてライブドアのMSCBを発行した一方で、ライブドア株を借り、ライブドアがニッポン放送の株主になったところで空売りして利益を出したんだっけ。そしてMSCBも空売りによって株が安くなったところで株式に転換して、当初よりもたくさんの株式を得ていた。そしてまた空売りを…。という感じで、よく覚えてないが、荒稼ぎしていたのは確か。

MSCBに関する一考察
http://www15.ocn.ne.jp/~hiro-hmx/mscb5_4753_2.htm

リーマンはそんな会社なんでどっちでもいいわけだが、だからこそ買い手がつかないのもわからんではない。つまり金融資本主義の申し子みたいなところがもう終焉ってわけだ。

結局、金融資本主義というのは、資本が蓄積されたところに入り込み、短期で利益を荒稼ぎして、荒らしまくり、ダメになったらほかの案件を探すというたぐいのものだと思う。彼らだけが儲かって、ほかは荒れ果てるわけだ。でも荒れたところで、人はそれでも暮らしていかなきゃいけない。それに、ある程度資本が蓄積されないと荒稼ぎする差分がなくなっちゃう。だからこれからしばらくは、世界的に国家百年の計に戻るんじゃないかと思う。オバマも国家20年くらいの計になりそうなことを訴えているし。いや、戻ったほうがいいと思うんですが、どうですか?

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