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September 04, 2008

プーチンとメドベージェフ

プーチンが虎を退治したらしい。正確にいうと罠から逃げ出したアムール虎が、一緒にいたカメラマンを襲いそうになったので、プーチンが麻酔銃で仕留めたそうなんだけど、これは奥山さんが詳しい。

地政学を英国で学ぶ
プーチンの虎退治/イラン攻撃:オランダからの情報
http://geopoli.exblog.jp/9416763/

プーチンは極東のパイプラインの視察に行ったついでに、アムール虎の視察に行ったと。しとめたあとは「トラの歯の計測や、首の周囲に衛星発信機を装着する仕事も手伝った」そうなんですがね。そんな仕事手伝わなくていいです(苦笑)。

もうねえ「北朝鮮みたいに伝説化してる?」って声もあるわけですが、「虎も倒せる素晴らしい指導者プーチン」ってどうなんでしょう? ま、今ロシアがしているのはヒトラーのドイツのようなことだという声もありますがね。

とにかく、やはり大国の指導者たるもの、狩猟はうまくないといけません。アメリカには人を撃った副大統領もいらっしゃいますし。どちらも殺してはいないわけで(チェイニーが銃撃した相手は亡くなってはいないはず…)、やはりここは日本もクレー射撃の名手、麻生太郎とすると、お揃いでいいのではないかと。

ま、冗談はこのへんにして、さて、気になるのがプーチンとメドベージェフの関係なんだけど。

佐藤優の地球を斬る
メドベージェフの“乳離れ” 
http://www.business-i.jp/news/sato-page/rasputin/200809030002o.nwc

ロシア・グルジア戦争の結果、メドベージェフ現大統領はプーチン前大統領(現首相)よりも「力の外交」を好むことが明らかになった。その戦争によって、プーチンからの乳離れが加速し、メドベージェフのカリスマ性が高まっている。嫌な時代になった。

う〜ん、ちょっと私は混乱している。グルジアの件は、プーチンが糸を引いているといわれているし、そうとしか思えないのだが、ロシア専門家の佐藤氏からみるとそうでもないらしいのだ。確かに、プーチンが大統領として登場した当時、「西欧風の洗練された外交」が売り物だったし、先ほどの虎退治の記事でも、「アムール虎の保護に西側が支援してくれた」と感謝の意まで示しているようだ。MD計画のときも、なかなか上手い切り口で切り返していたし(西側の論理をうまく自国有利に使うのはロシアが得意とするところらしいけど)、突然、強行派に転換するのもなあ。もしかしたら、自分がやるとイメージダウンなので、メドベージェフにやらしているのかもしれないが、メドベージェフがカリスマなのか??

ただ、ここまでプーチンの傀儡と言われた場合、メドベージェフはどう思うだろうか。きっと違いを出したいと思うだろう。そしていつか、プーチンを追い出そう、と思うのではないだろうか。今回のグルジア紛争も、メドベージェフの判断だとすれば、これを成功させることで、プーチン色を消していくことを狙っているのかもしれない。西側が与し易かったロシアは終わったと。それだけの手腕があるかどうかは知らないが、プーチンが選んだんだから、そうそう悪くはないだろうし。

その一端がメドベージェフドクトリンなのかもしれない。またもや奥山さんなんだけど。

地政学を英国で学ぶ
メドベージェフ・ドクトリン
http://geopoli.exblog.jp/9423862/

1、ロシアは国際法を遵守する
2、「一極世界」というアメリカの支配状態を拒否し、多極世界を実現する
3、他国との友好関係を維持する(孤立化は望まない)
4、国外にあるロシア国民の生命と尊厳、そしてロシア企業の利益を守る
5、親露的な地域での特権的利益、つまり「影響圏」を持っていることを宣言する

もちろん重要なのは最後の5番なんですが、これがけっこうあやふやというか、とりあえずは「ロシアの国境周辺」ということになっているわけですが、大統領はその地域だけに限定されないということも言っているみたいです。

うーん、私はもっとこの「5原則」に世界は注目してもいいと思うんですが。これは将来的にもかならず「メドベージェフ・ドクトリン」と呼ばれるようになると思いますよ。

思うに、プーチンは98年のロシア財政危機のころFSB長官として登場し、99年には首相に、2000年には大統領となり、それ以来、苦しい経済情勢の中、なんとか切り盛りしてロシア復活の糸口をつけた政治家だ。その間、西側にも助けてもらった。だが、それによってアメリカはロシアをなめくさり、なんとゴールドマンサックスにいたっては「BRICs」と新興国と一緒くたにした。最初、これを聞いたとき、経済がいくら落ち込んでいたって、これはないだろうと思った。大国なんだからさ。

ロシアの人々は忸怩たる思いだったに違いないと思う。別にシンパシーは感じてないけど。そして、いまやロシア人は復活に酔いしれている。

日経 ロシア、強まる国家主義 グルジア紛争、メディアが政権擁護
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080903AT2M0200T02092008.html

「世界で最も強い影響力を持つ国を目指すべきだ」と答えた国民は82%に上った。

新しい世代の代表がメドベージェフなんだろうな。苦労して切り盛りした時代は終わったのだ。

そんなわけで、新しい米露+中関係が出てくるだろうということで、リアリストが求められているそうです。

ジャパン・ハンドラーズさん
ゲルブ:リアリストよ団結せよ!
http://amesei.exblog.jp/8544209/

この時のリアリストというのは、アメリカに対する他の大国(パワー)の脅威に対抗するために、同盟国やパートナーを利用したり、外交政策を利用したりするやり方のことで、武力の行使は最後の最後に行うべきと考えている人たちの事を指します。

で、リアリストの対極はリベラルなんだそうです。

リアリストに対向するのは、国家間の抗争に「価値観」や「理想」を過度に持ち込む、アイデアリスト(リベラルズ)の対義語だと思って構いません。

そしてオバマ時代にはこうなると。

CFRの戦略が見えてきましたよ。オバマ政権は、「新型リアリスト政権」を標榜することになるんでしょうね。 


論文の原本はヘラルド・トリビューン
Realists unite
http://www.iht.com/articles/2008/09/01/opinion/edgelb.php

今日もグルジア情勢は動いている。以下、日経より。

米、グルジアに1080億円支援
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080903AT2M0303503092008.html
ウクライナ政権、大統領派が離脱表明 ロシアが首相派に接近
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080903AT2M0302W03092008.html
プーチン首相、NATOに対抗示唆 艦船の黒海派遣で
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080903AT2M0203702092008.html
G8から排除、恐れず ロシア大統領
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080903NTE2INK0303092008.html

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