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October 18, 2008

配管工のジョーと大統領選最終ラウンド

第3回討論会を遅ればせながら見たんだが、配管工のジョーが話題だね。

コラム「大手町から見る米大統領選」
議論の主役は「配管工のジョー」 争点は要するに「大」か「小」か
http://news.goo.ne.jp/article/gooeditor/world/gooeditor-20081016-02.html

話題となったオハイオの配管工のジョーさんがオバマにくってかかっているところをテレビで見たが、どうみても年収2500万ドル円もなそうなこの人が、俺を増税するなんて反対だと言っているのが、とても不思議な光景だった。彼と話したのはオバマで、マケインではないんだが、この映像を捉えてマケインが討論会の争点(?)にしたってわけだ。

このジョーさんは加藤さんが書いているとおり、オバマに対し「あなたのやり方だと、私のように小規模事業主になろうとしている男は、増税されてしまう」と言ったのだ。つまりなろうとしているだけで、まだなってないらしい。面白いね、この人。

どこかでこの話題を取り上げて「配管工は今後成長が見込まれる職業です」なんてニュースをやっていた。アメリカで住宅不況が吹き荒れる昨今、パロディにしか思えなかったのだが。いや、もしかしたら成長がのぞめるのかも。

で、恒例のジョーク大会ではマケインがこの件とヒラリーマニアについてジョークを飛ばし、これについてはオバマを圧倒したそうだ。

ON/OFF beyond
Off | Obama vs McCainジョークの戦い
http://www.chikawatanabe.com/blog

「水道屋のジョーは25万ドル以上の収入になったりしない、とオバマは言うが、実は高収入の秘密がある。とある富豪の夫婦がジョーを好条件で雇って、自分の7軒の家全ての水道工事を頼むことにしたのだ。」

................とある富豪の夫婦ってのはマケインのことで、彼が数えられないほど持っている(数えたら7軒だった)家の水道工事を頼むから配管工のジョーは高収入になる。ジョークってことは、マケインも、配管工のジョーはオバマが言う通り高収入になったりしないってことを暗に言っているわけだ。

まあ、そんなわけで、第3回の討論会もオバマは無難にこなし、着実に勝利への道を歩んでいるらしい。アメリカ人がお笑いの能力を政治家に求めなければ、だけど。

gooロイター 米大統領選は残り3週、オバマ氏は勝利への過信を戒め
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/JAPAN-343797.htm

 米民主党の大統領候補オバマ氏は16日、自身の支持者らに対し、残り3週間を切った本選まで勝利を過信しないよう呼び掛けた。
(中略)
 また、ワシントン・ポスト紙は16日遅く、電子版(www.washingtonpost.com)の社説でオバマ氏への支持を表明。アラスカ州知事のペイリン氏を副大統領候補に指名するなど、マケイン氏の選挙運動に「失望」したとする一方で、オバマ氏は長い選挙戦で優れた資質を示したと称賛した。

 そのほか、政治的事象などの将来予想で先物取引を行う市場のトレーダーらは、オバマ氏が80%以上の確率で勝利すると予想。アイルランド最大のブックメーカーもオバマ氏が勝利するとして、総額100万ユーロ(約1億3700万円)の掛け金を顧客に前倒しで払い戻す方針を明らかにしている。
(中略)
 ブッシュ大統領の元側近カール・ローブ氏は16日、ウォールストリート・ジャーナルへの寄稿で「もしマケインが勝ったら、1948年のハリー・トルーマン以来、最も印象に残るまさかの政治的逆転劇をやってのけることになる」と述べている。

にしてもブックメーカー早いねえ。まじ?

ワシントンポストの社説はこちら。しかし、どっちかっていうと共和党寄りだったワシントンポストがとうとうオバマ支持とは…。

WAPO Barack Obama for President
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/10/16/AR2008101603436.html?hpid=opinionsbox1

カール・ローブの元原稿はこちら。

WSJ Obama Hasn't Closed the Sale
http://online.wsj.com/article/SB122411909182439021.html

Whether it can find the right formula in the next 19 days to dig out is a question. If Mr. McCain succeeds, he will have engineered the most impressive and improbable political comeback since Harry Truman in 1948. But having to reach back more than a half-century for inspiration is not the place campaign managers want to be now.

WSJの記事タイトルの意味って多分、オバマはまだ選挙活動を続けている(手綱を緩めていない)ってことだろう。私、うっかりオバマ陣営のホームページに登録されてしまったらしく、オバマやらバイデンやらプロウフェ(選対本部長)やらからメールがやたらと来るようになってしまったんだが、確かに気を抜くなというメールが来ていたな。あと手伝ってとか、寄付しろとか。日本人でもいいのかいな?

というわけで、もうみんな勝ち馬に乗れとばかりにオバマにど〜っと流れているんだけど、妙にウキウキ感があるような…。今ごろ、オバマ陣営は任官運動で花盛りなんだろうね。

とはいえローブが言うように、マケインがトルーマンになる可能性だってまだ20%はあるわけだ。ペイリン効果みたいなのが出せれば、いけるかもしれない。ブラッドリー効果だってあるし、ジョークならマケインのほうが上手だ。ゴアのかわりに、ケリーのかわりに、マケインのかわりに、ブッシュを選んだアメリカだからこそ、最後までどうかわからんよ、と思う。

現大統領ジョージ・ブッシュを主人公とする映画「W.」を撮影したオリバー・ストーンはこう言っている。

 われわれはブッシュ大統領を取り巻く現象と向き合っている。誰が次期大統領になろうとも、世界を変えた8年間の政権の大きな影響下に置かれる。多くの人にこの映画を見て欲しい。投票日の前に8年前に自分たちが誰を選んだのかを考える良い機会にもなると思う。

8年前は退屈なゴアより面白いブッシュを選んだ。とはいえ、マケインはブッシュじゃないんで、そう悪くはない。経済危機への対応はきつかったけど、マケインになったって別にかまわないと本当は思っている。

だけど、私の今回の大統領選ウォッチは、オバマの立候補演説から始まったんだよね。ヒラリーが事務所を作ったという話が伝わってきてすぐの2007年2月11日、オバマが立候補表明をしたニュースを、「この人が黒人で話題の候補者か〜」と思って見ていた。しかしイリノイのスプリングフィールドに集まった人があまりにもあまりにも多く、その、大きな広場を埋め尽くす人々が、寒いにもかかわらずオバマの立候補をすごく楽しみにしていたのが印象に残った。その光景に、オバマは60年代におけるケネディーのような人物なのかもと思い、エントリ「オバマはケネディーの再来か」を書いたのだった。

以来、オバマに肩入れしつつはらはらしながらウォッチし続けてきたんだが、ここまでくるとなんだか感慨深い。とにかく、オバマが無事、選挙戦を終えてくれることを祈る。

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Comments

10月19日、GEN. COLIN POWELLがついにMeet The Press(NHK日曜討論会の様な米国TV番組)に登場!

マケインの長年の友人でもあり、またオバマの良き相談相手、且つ、アフリカ系アメリカ人として大先輩でもあり、米国市民の信頼も厚い彼はどちらの候補を支持するか?

長い間沈黙を守ってきた来た彼の声が、ついに聞ける!

ちなみに彼は今回の大統領選に出馬したかったそうだが、奥さんのたっての願い(暗殺されては困る)を聞き入れ、出馬を断念した経緯があり、他のポジションでの返り咲きにも大いに興味があると、巷では噂されており、その辺の状況も聞きたい。

別件
オバマ・サイトからの献金は米国市民、又は永住権保持者に限られていたはず。

Posted by: ニューヨーカー | October 18, 2008 at 05:47 PM

その5. 配管工ジョーは・・・
his teenage son and his father decided to accept an invitation from Fox TV to fly to New York City so Joe could tape a sit-down interview with former Republican presidential contender Mike Huckabee, host of a new Saturday evening talk show, as well as Sunday and Monday segments for the networks’ early morning Fox and Friends show.

Posted by: ニューヨーカー | October 18, 2008 at 05:16 PM

続き> その4:実は、マケインの昔の汚職スキャンダルで逮捕された人物の娘婿だった。
これで、もう過去の話になっていたマケインの陰謀関与がまたまた掘り起こされてしまった。

しかし、マケインも運がないというか、はっきり言ってmoronに近い。こんな人物、ググればすぐ正体がバレるのに、またまたペイリンの時と同じく、芝居で通用すると国民を甘く見てたのがばれちゃった。
もう、知らんぜよ。見てる方には、しっかりエンタメでしたが……

そう言えば、ゆうべNYのウォルドルフ・アストリアホテルであった晩餐会の、マケインとオバマのジョーク合戦、サイコーに面白かったです。必見です!

Posted by: 米流時評 ysbee | October 18, 2008 at 03:32 PM


その1:実は、本名はジョーじゃなかった。
実名は、サミュエル・ジョゼフ・なんたらさんで、その伝で行けばサムさんだったんですね。たしかにジョゼフはジョーですが、普通はミドルネームで呼ぶことはまずないですから、ちとムリがある。

その2:実は、中小企業主じゃなかった。
実は配管屋のアルバイト的下請けだった。しかも、オバマの増税対象になる年収2500万円以上をはるかに下回る収入らしく、昨年度の収入税は1800ドルに過ぎなかったらしい。しかも、大騒ぎされたおかげで国税にチェックされて滞納してたのがバレちゃった。

その3:実は、マケイン陣営のサクラだった。
ペイリンの十八番は「6-パック・ジョー」。つまり、ビール6缶のパックを晩酌にするような労働者階級に訴える、という意図なんですが、そのコンセプトを生かすために「配管屋ジョー」を演じたわけなんですよ。

Posted by: 米流時評 ysbee | October 18, 2008 at 03:30 PM

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