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January 12, 2009

モーターサイクルダイアリーズ

チェ・ゲバラの映画、『チェ 28歳の革命』『チェ 39歳別れの手紙』の連続ロードショーが始まっていて、見に行こうと思っているんだけど、その前にどうしても見ておかなければならないなと思っていたのが、チェ・ゲバラになる前の物語『モーターサイクルダイアリーズ』だ。

何年か前にロードショーしていたときは見に行けなくて、DVDになったときすぐさま買ったのだけど、真剣にみなくちゃと思っていたので、なんとなくずっと延期していたのだ。

そんなわけで今更ながら『モーターサイクルダイアリーズ』を見た。

あらすじはこんな感じ。

アルゼンチンの裕福な家庭で育った医学生エルネスト(のちのチェ・ゲバラ)は、生化学者の友人アルベルトと、バイクで南米縦断の旅に出る。ただの若者の冒険旅行のはずだったが、2人はその旅で先住民の人々の虐げられた環境を目の当たりにする。旅を続けるほどに、エルネストの視線は社会的弱者に釘付けになっていく。ペルーに着いた2人はハンセン病患者の療養所を手伝う。その後、療養所の人々から筏をプレゼントされ、コロンビアへ。そして最終地点ベネズエラに到着する。アルベルトはベネズエラで就職先が決まっており飛行場で別れるが、この半年間の旅で、エルネストは大きく変わっていた。

映画ではその旅程に従って、アンデスの雪山が出てきたりマチュピチュが出てきたりと淡々とすすむのだが、ペルーに着き、ハンセン病患者の療養所で手伝うシーンがクライマックスだ。当時は最先端の研究だったのだろうか、エルネストもアルベルトもハンセン病の研究を志している。既にハンセン病は伝染しないことがわかっていたが、療養所の患者は隔離され差別的扱いを受けていた。治療にあたる医者や修道女(この療養所は修道院が運営しているようだ)は規則として手袋やマスクをすることになっていたのだ。しかし2人は手袋もマスクも拒否し、患者と一緒にサッカーもし、若い女性を励まし手術もする。

DVDには特典映像として、エルネスト役のガエル・ガルシア・ベルナル、監督のウォルター・サレス、プロデューサーのロバート・レッドフォードのインタビューがあるほか、ゲバラと一緒に旅をしたアルベルトのインタビューも含まれているので、ぜひこれも見てほしい。カットされた未公開シーンも面白い。

さらに言うと、今回ばかりはDVDを借りるのではなく、上記にリンクしてあるコレクターズ・エディションを購入したほうがいい。何しろアルベルト(本人)はこの映画を撮影する際、重要シーンの撮影時にはすべて現地に顔を出して指導していたらしく、その様子を納めた『トラベリング・ウィズ・ゲバラ』というDVDがついていて、こちらがまた、なかなか良いのだ。

『トラベリング・ウィズ・ゲバラ』では、50年ぶりに同じ旅をするアルベルトの様子を捉えている。この映画ではエルネスト役のガエル・ガルシア・ベルナル以外、現地の役者で、監督自身も南米ブラジルの人なので、みなエルネストとアルベルトについてよく知っている。監督、出演者のみながアルベルトの意見を最大限、映画に反映した様子が伺える。さらに映画に出てくるハンセン病患者も、現存するその療養所の人々が演じていて、『トラベリング・ウィズ・ゲバラ』では、当時の様子を知る患者が証言している。ハンセン病患者を差別しない彼らの登場は、療養所にとって革命だったようだ。また映画で治療を受ける女性は若い役者を使っているのだが、実際の女性はまだその療養所にいて、「エルネストは知的で格好良かった」などと話している。

映画では、ゲバラは誕生日を療養所で祝ってもらい、そのとき「一つの混血のラテン・アメリカ」と演説をする。チェ・ゲバラの萌芽が見えるシーンだ。

この旅を経てゲバラのキューバ革命とその後を描く『28歳の革命、39歳の別れの手紙』へと繋がるのだろう。しかし、キューバ革命を実現し、ボリビアでゲバラが志半ばに死んだ後も、一つのラテン・アメリカは実現されていない。

そしてウィキのゲバラの項目にはこうある。
wiki チェ・ゲバラ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%83%90%E3%83%A9

同年 アジア・アフリカの親善大使として来日。12日間滞在した。このとき、広島市の原爆資料館を訪問し、「アメリカにこんな目に遭わされておきながら、あなたたちはなおアメリカの言いなりになるのか」と案内人に語った。

日本もゲバラが見たときと同じなわけだ。

つまり、そうそう世界は変わらないんだけど、キューバ革命から50年後、ゲバラを殺したアメリカに、ゲバラを彷彿とさせるスローガン「一つのアメリカ」を掲げるオバマが登場した。オバマも混血なわけで、ゲバラが生きていたらどう思うんだろう。とりあえずカストロは生きていて「オバマとなら対話できる」と話しているらしいけど。

そんなわけで、ようやく『チェ 28歳の革命 39歳の別れの手紙』を見る準備が整ったので、劇場に行こうと思う。

『チェ 28歳の革命 39歳の別れの手紙』公式ホームページ
http://che.gyao.jp/

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