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August 26, 2009

ケネディのバトン

ケネディ兄弟の最後の一人、エドワード・ケネディが亡くなったそうだ。

CNN  Ted Kennedy, 'Lion of the Senate,' helped shape American politics
http://edition.cnn.com/2009/POLITICS/08/26/ted.kennedy.legacy/index.html

NYT Edward Kennedy, Senate Stalwart, Dies
http://www.nytimes.com/2009/08/27/us/politics/27kennedy.html

WAPO Massachusetts Sen. Ted Kennedy Dies at 77 After Cancer Battle
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/08/26/AR2009082600063.html

産経 悲劇のケネディ王朝、最後の「大物」失う
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090826/amr0908262108013-n1.htm

毎日 ケネディ上院議員死去:栄光と悲劇…「王朝」の歴史の終焉
http://mainichi.jp/select/world/news/20090827k0000m030084000c.html

日本人だし、年齢的にもJFKを知っているわけじゃないので、ケネディ家に特に思い入れはないのだが、アメリカ人だったら、この伝説の一家の最後の兄弟が亡くなったことは、かなり思うところがあるだろう。

ケネディ家の四兄弟は、長男は戦争で、次男のジョン、三男のロバートは暗殺で亡くなった。姉妹はいたけど、男兄弟はエドワードだけが生き残ったわけだ。しかも、それだけじゃなくてジョンの息子もロバートの息子も若くして死んでしまった。ジョンの息子の場合、自家用小型機の墜落ってことだけど、本当はどうだったかわからない。

そんな悲劇の一家の中で長生きしたのがエドワードだった。エドワード、テッドっていうらしいけど、長生きすることでジョンやロバートが果たせなかった役割を担ったともいえる。ある意味、民主党のキャスティングボードをにぎる人だったわけだから。

エドワードも大統領になろうとしたこともあったけど、いろいろ事件もあって、大統領予備選ではカーターに破れたし、そのときに最後までもつれたことが、レーガン時代の幕開けにつながったんだそうだけど。

そんなわけで、輝かしかったケネディ王朝も終焉を迎えるわけだ。しかし最後にテッド・ケネディは大仕事をなしていったのじゃないだろうか。そう、オバマにバトンを渡すという大仕事を。

予備選最大のイベント、スーパーチューズデーが行われる直前、ヒラリーが欲しくて仕方なかったテッド・ケネディからの推薦は、オバマに向けられることになった。これがすべてではないけれど、その推薦は予備選において大きく影響したんじゃないかと思う。そのときのケネディの言葉を思い出してみよう。といっても、私のエントリだけど。

Jin and Tonic
ケネディ、オバマ支持を表明
http://jinandtonic.air-nifty.com/blog/2008/01/post_9c1c.html

エドワードは演説でこう言った。(NYTより)

“It is time again for a new generation of leadership,” Mr. Kennedy said, speaking over a crowd of cheering supporters here at American University. “It is time now for Barack Obama.”

「新しい世代のリーダーが求められる時が来た」。ケネディは聴衆に向かってこう言った。「バラク・オバマの時が」

“We, too, want a president who appeals to the hopes of those who still believe in the American dream and those around the world who still believe in the American ideal and who can lift our spirits and make us believe again,” Mr. Kennedy said. “I’ve found that candidate and I think you have, too.”

「われわれは希望を与えてくれる大統領を求めている。アメリカンドリームやアメリカの理想がまだ存在していると信じさせてくれる人物を。われわれの精神を高め、もう一度それを信じさせる人を」。ケネディは言う。「私は見つけた。君たちもそうだろう?」

このエントリにはそのときのYoutubeも張り付けてあるのだけど、私は「まるで映画を見ているような感じ」と書いてるな。だってうまいんだよ、演説が。これはケネディ家の血かもしれない。

しかしこの直後、ケネディは倒れてしまう。悪性脳腫瘍が見つかったのだ。

それでも病を押して、オバマを指名する民主党大会に、ケネディは登場する。

Jin and Tonic
ケネディから託された希望の火
http://jinandtonic.air-nifty.com/blog/2008/08/post_b798.html

ケネディの演説は5分余りと短いものだったが、それは命がけであり、感動を呼ぶものだった。

彼はこう言った。

And this November the torch will be passed again to new generation of Americans, so with Barack Obama and for you and  for me, our country will be committed to his cause.The work begins anew. The hope rises again. And the dream lives on.
そしてこの11月には、バラク・オバマとともに、このたいまつが再び次の世代に引き継がれるだろう。みなさんのために、そして私のために。私たちの国は彼の大義を約束するだろう。その仕事は改めて始められる。希望は再び輝き、夢は生きるのだ。

たいまつを次世代に渡すというのは、ジョン・ケネディが話した言葉だそうである。

このエントリにも、テッドの演説が張り付けてあるので、見たい人はどうぞ。

そんなわけで、ケネディはオバマを選択したわけだ。消えそうなたいまつの火を渡す相手はオバマだと。1月20日のオバマ大統領就任式にも、闘病中にもかかわらず出席した。

ついこの間も、ケネディはオバマが医療制度改革において窮地に陥っているのを助けようと考えているような記事を読んだ記憶もある。医療制度改革はテッドの悲願でもあったから。

今、オバマが選挙戦で張り巡らしたネットワークをもう一度使って、医療制度改革を成し遂げようとしている。そんなときケネディが亡くなった。ケネディはリベラルだし、医療制度改革など弱者のための制度改革に取り組んできた人だ。ケネディの死によって、これでもう一度アメリカ人が考える時間ができるのではないだろうか。デス・パネルなんていう言葉に惑わされずに、冷静に考える時間が。ケネディは再びオバマを助けたのかもしれない、そんな気がした。

オバマはそんなすごくないぜって批判はごもっともだし、私も他国の元首に期待しているわけじゃない。だけど、ケネディの死はアメリカ人に大きく働くだろうと思うのだ。

テッド・ケネディのご冥福をお祈りしています。ケネディのバトン、オバマにうまく渡ったのだろうか?

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