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September 23, 2009

中東、北朝鮮、密約とオバマ外交

中東とMD計画と北朝鮮と密約問題について考えてみた。

AFP オバマ大統領、イスラエルとパレスチナに交渉再開求める 3首脳会談
http://www.afpbb.com/article/politics/2644813/4650259

オバマ大統領は「数世代にわたりイスラエルとパレスチナの人々に止むことのない紛争と苦しみを与えてきた行き詰まりを打開しようという意思を奮い起こすことが必要だ」と述べ、イスラエルにはパレスチナ側が和平交渉再開の条件としている入植活動の凍結を、パレスチナ側にはイスラエルを交渉の席に引き戻すため融和的な姿勢を示すことを求めた。

国連総会を前に一気に動き出したオバマ外交。オバマの政策って、例えばグリーンニューディールのように、経済危機、雇用対策と環境問題とエネルギーセキュリティーを一気に解決しようというように、いくつもの案件を一つの方向でまとめあげるという特徴がある。外交面においても、そこを狙っていると思われる。

このイスラエルとパレスチナの交渉再開なんだけど、振り返ってみると、イスラエルは、オバマ就任前にめちゃくちゃにパレスチナとの関係を悪化させたあげく、政権は右派ネタニヤフになってしまったわけだ。ただ、右派だからダメということではなく、左派だけに攻撃しないと「弱腰」といわれる場合もあるので、ここは要注意。で、今回、オバマのもと、強行派のネタニヤフ首相とアッバス議長が握手をしたのだが…。

この前に、一つ、大きな事件があった。オバマは東欧への弾道ミサイル設置計画を中止したのだ。ロシアののど元にミサイルを設置するわけだから、ロシアは猛反発していたし、ポーランドなどはぜひ置いてほしいと言っていたわけだが、これを撤回した。もちろん、ロシア側の強い要望もあったのだが、狙いはイランだと言われている。

イランの核開発はロシアが支援しているといわれている。表向きは原子力発電所の建設だったりするわけだが。今回、ロシアは米国のMD計画撤回の見返りに、核弾頭の縮小計画を拡大するに違いないが、その裏ではイランへの支援をやめるという事態が密かに行われるはずだ。

しかしイランの核開発は、アメリカを狙うというよりもイスラエルへの対抗措置といわれている。イスラエルが核兵器を保有していることは公然の秘密であって、カーター元大統領も証言しているのだが、公式にはアメリカもイスラエルもしらを切ることで、イスラエルもNPT条約にふれずに今まで保有してきた。まあつまりダブルスタンダードだということ。

だけど、もしイランに核開発を断念させるとなれば、イスラエルをなんとかしなければならない。イスラエルもロビー活動を行っており、民主党にも相当な影響を与えているのだが、しかしながらオバマはロビー活動を批判していることもあり、イスラエルとは若干距離を置いているように思える。まあ、首席補佐官のラーム・エマニュエルはユダヤ系だけどね。

だから今回のパレスチナ・イスラエル交渉再開の動きは、イスラエル封じ込めという狙いもあるのだろうと思う。オバマの訴える「核なき世界(でもアメリカは別)」実現に向けては、イスラエルが重要なファクターになるのだ。イスラエルはイラン単独攻撃も辞さない構えでもあるが、そうなると、中東はどんどん不安定になってしまう。だからパレスチナ問題をはじめ、今後、イスラエルがどう出て来るのかは、注目すべきところだろう。

核なき世界、という点においては、北朝鮮問題も同じだ。ここへきて、北朝鮮との交渉再開がささやかれている。

日経 北朝鮮の核問題で「近く前進」 オバマ米大統領
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/us/20090920D2M2000W20.html

金正日の健康が回復したそうなので、話が進むかもしれない。後継者がだれかわからないようでは交渉もしようがないから。

で、有名ブロガー、ネットゲリラさんの見方では、アメリカは極東の非核化をネタに北朝鮮と交渉しようとしているそうで。朝鮮半島だけじゃなくて、極東ってどういうこと?? 極東って一応中国も入ると思うんだけど、そりゃ無理だろ。なんかアバウトだなあ。朝鮮半島と日本が非核化したって中国やロシアが持っていれば意味ないじゃん?

ネットゲリラ うそつき自民党
http://shadow-city.blogzine.jp/net/2009/09/post_00bd.html

でも、持っていないと言いつつ領内に核兵器が存在する日本は、立ち位置としてはイスラエルと同じで、ダブルスタンダードなわけだ。この解消には、米軍がミサイルを搭載しないか、「米軍が日本に持ち込んでいますが、同盟国なので日本のためにアメリカは使う覚悟です」とでも断言してもらわないといけない。その際は当然ながら、日本も「日本は持っていないけど、米軍が持っていて、同盟国なのでアメリカの核の傘に守られています」と言わないといけない。

これならば、日本は持っていないと一応言える。しかも持っているのはアメリカなので、アメリカが非核化したければいつでもできる。零戦を作ったりする恐い恐い日本軍をなまくらにさせるにはいい制度なわけで、アメリカにもその他国際的にもメリットがある状態なわけだ。

社民党と組んでいる民主党が密約を判明してどう解決するのかはわからないが、判明したら、非核3原則の法制化に行くんじゃなくて、現状を認めるって方向に行くんじゃないだろうか。村山首相のときに自衛隊を認めたように。そうすると社民はどうするのかね? 

もしくは本当にオバマが、日本を含む、かつ中国・ロシアを除く極東の非核化を進めるとしたならば、隣に中国という核大国がいる日本は困るんじゃないのだろうか。困らないという人は、まあ、そう思ってて幸せですね。いや、絶対困るだろ。そうなったとしたら、日本自身が核兵器を持たざるをえないという議論が強くなり、でももし保有することになればアメリカの仮想敵国に追い込まれる可能性もある。これでは中国がウハウハですね。

そんなわけで、オバマの外交は「核なき世界」を中心に「例外なし」(国連総会演説でそう発言している)で動き始めたようなんだが、これは手放しで喜べる事態でもない。微妙な例外だった日本はうまく立ち回らないとね。中国にお金あげることが前提の25%削減を褒められて喜んでいる場合じゃないぜ。まあ、これがシナリオの一シーンであるとすれば褒めてあげるんだが。

追記:暗いニュースリンクさんのtwitterでリンクされていたイラン関係の記事

ロイター
Iran says wants abolition of nuclear weapons: Japan
http://www.reuters.com/article/vcCandidateFeed1/idUSTRE58M0DS20090923

岡田とイランの外相との会談で、イランは核兵器開発の意図はないと発言。岡田はオバマと率直に話し合ってみてはと提案したら、イランの権利だから話し合う必要はないと言ったそうで。

難しいねえ。

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