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October 25, 2009

オバマ来日前に日米関係に亀裂かも

 

いくらアメリカ様が転けて、中国が大中華になりつつあるっていっても、だからって東アジア共同体とか、戦前に失敗したコンセプトなんて持ってくるんじゃないよと思っていたわけだが、案の定、大変なことになっているらしい。

問題は、東アジア共同体にアメリカが入ってなさそうなことと、普天間基地移転をめぐる原理原則主義的外交姿勢にありそうだ。あのさ、東アジア共同体も原理原則外交も、防衛力があって、食料とエネルギーがある程度確保できる国が言うものであろうよ。

そんなわけで、いろいろ読んだので、それをメモ的に買いて行こうと思う。

まず、東アジア共同体問題。

日経BP 大前研一
「東アジア共同体」を語る前にEUの歴史を学べ
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20091019/189495/?ml

   シンガポールのリー・シェンロン首相は10月3日、訪日(10月5日から8日)を前に日本のメディアのインタビューに応じて、「東アジアの地域協力は、米国など域外国との関係も重視しながら進めるべき」「東アジアは米国と経済、安全保障の面で強固な関係を保つべき」との考えを示した。  

 要するにリー・シェンロン首相は、「鳩山さん、東アジアを定義してみてください」と言いたいのだ。岡田外相は先日カンボジアのシェムリアップでの ASEAN会議に出席したが、そこでも東アジア共同体を売り込んでいる。ということは東南アジアも入るのか、ASEAN+3(中国、韓国、日本)とどう違うのか、などでますます混乱が広がった。もっと突っ込んで言えば、「そこに米国は含まれるのですか? 米国を外して、東アジアだけで一つの共同体をつくっても、米国は絶対に許すはずがない。鳩山さん、米国を入れるのかどうか、ハッキリしてください」と指摘したいのだろう。

鳩山首相は中国主導の「元」通貨圏でも作りたいのかね? と思っていたら産経の福島さんも。

福島香織
北京・平河趣聞博客(ぺきん・ひらかわこねたぶろぐ)
行く川のながれは絶えずして…③
http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/entry/1282755/

■これら真珠に加えて、さらに最近では中国は、アフガニスタンでアイナクの銅山に巨額投資して、それを運び出すための鉄道敷設計画もあきらかにしている。地図でも分かるように真珠の首飾りはパキスタン・グワダル港(軍港)からはじまって、インド、ASEANを囲い込む形になっている。ASEANにとっては、やんわり首をしめられているような計画だ。クラ運河なんて完成したらシンガポールが日干しになってしまう。こういう状況で東アジア共同体といえば、中国を盟主とする冊封体制のことですか、と言われてしまう。
  ■しかし、もしアフガニスタン、パキスタンで日本が自衛隊による民生支援を実現し、平和をつくることに成功すれば、状況はかわってくる。中央アジア、インド、そしてASEANへの影響力、プレゼンスは中国と日本、どちらが強くなるだろうか。
  ■日本が東アジア共同体を謳うとき、二通りの可能性がある。日本が中国様の冊封体制に喜んで組み込まれる。あるいは、中国と本気で勝負して、東アジアの盟主の地位を確立する。中国とともにリーダーシップを発揮して、なんて考えはありえない。リーダーは普通一人なんだ。中国は後者の方を懸念しているので、鳩山首相が東アジア共同体構想を訴えても、いまひとつ反応がにぶいわけだ。

ここで指摘されている真珠の首飾り計画はこちら。

JBpress 谷口 智彦
北京が欲しがる「真珠の首飾り」と「龍のトンボ」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/420?page=2

 中国の打った布石がそこにあぶり出されるのを見た米国防総省筋は、シーレーン沿いに威力を確保しようとする北京の意思に確固たるものがあると考えた。そして論者の中に、それを「真珠の首飾り」戦略と呼ぶ者が現れたわけである。

マラッカ海峡などを中心とするシーレーンは、中東からの石油輸送ルートとして、現在のところ、日本だけじゃなくて中国にも重要な位置なんだけど、中国からビルマに通じる運河ができてしまうと、中国には関係なくなるわけ。で、増強中の海軍力でマラッカ海峡を封鎖してしまえば、あっという間に、日本も台湾も韓国も干上がってしまう。

そんなわけで、日本にとって一番重要なことは、親中国となってしまっている国々をなるべく中国から離した上で(難しいけど)、中国の軍事力と対抗すべく米国との協力関係を強化することでしょう。それもかなりさりげなく。

だからって別にアメリカのいう通りにならなくてもいいというのは正論なんだけど、問題は普天間基地を巡る争いにアメリカが苛立っているようなのだ。この間、オバマ訪日の地ならしで来たといわれたゲーツ国防長官来日では、原理原則主義の答えに、ゲーツ長官がお食事会も含むいくつかの行事をキャンセルしたらしい。

日経 普天間移設、早期決着を強く要請 米国防長官
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20091023AT3S2202022102009.html

共同 首相、普天間移設の決着焦らず 米大統領来日時は困難に
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009102301000237.html

時事 米、日韓で違い浮き彫り=普天間移設が影−国防長官歴訪
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009102300604

産経 対照的な日韓 ゲーツ国防長官訪問 日本では会食ドタキャン
http://sankei.jp.msn.com/world/america/091024/amr0910241736008-n1.htm

で、アメリカ側があからさまに不快感を表していて、マスコミを使って伝えてきている。「中国よりやっかい」だってさ。

WSJ The Widening U.S.-Japan Security Divide
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704597704574486272405220200.html

WAPO U.S. pressures Japan on military package
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/10/21/AR2009102100746.html

It no longer is, he said, adding that "the hardest thing right now is not China, it's Japan."

時事 鳩山外交「同盟むしばむ」=普天間見直し、東アジア共同体批判−元米高官
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009102300137

各紙の反応は極東ブログさんがまとめている。

極東ブログ
ウォールストリート・ジャーナル掲載「広がる日米安保の亀裂」について
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2009/10/post-bf67.html
ワシントン・ポスト紙掲載「米軍一括案の米側圧力」を巡って
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2009/10/post-b7fc.html

まあ、これについてはハンドラーズさんみたいに、対等になったのだ、という考え方もある。ハンドラーズさんは、対等といっても民主党にも対案はない、ということらしいんだけど。

ジャパンハンドラーズ
対等な日米関係とは? 「ああ、そうですか」からの脱却
http://amesei.exblog.jp/10375466/

なんとなく、民主党における防衛の考え方は「対等」まで行ってなくて、かんべえさんの言っているレベルのように思える。

溜池通信 かんべえの不規則発言
http://tameike.net/comments.htm#new

○溜池通信の10月2日号「政権交代後の日本外交」ではこんな風に書きましたが、やっぱり「民主党思考」は国際舞台では通らないんじゃないでしょうか。

 日米関係には以前から、①安全保障、②経済、③グローバルイシューという3本柱がある。この3点をどう考えるかが分かれ道となる。自民党時代の従来型の思考では、この3つを、①イノチ>②カネ>③名誉という序列で考えるので、「安全保障でお世話になっているから、米国には逆らえない」となる。ところが民主党では、①安保=②経済=③グローバルを並列と考える。したがって、①で借りがあっても、②や③で返せば良い。「環境問題などのグローバルイシューで貢献すれば、日米は対等になる」という見方である。

自民党思考:安保(イノチ)>経済(カネ)>グローバル(名誉)→米国には逆らえない。

民主党思考:安保(X)=経済(○)=グローバル(○)→米国とは対等である

かんべえさんの記述ではこんな言葉もあった。

○ワシントンポストの記事はかなりのインパクトがあって、「現下の最難問は中国ではなくて日本だ」というのだから、穏やかではありません。まあ、先方のホンネを正直に言えば、「せっかく韓国でまともな政権が出来たのに、今度は日本で盧武鉉政権が出来ちゃった」ということでしょう。日米関係、ピンチであります。

え〜さすがにノムヒョンよりいいと思うけどなあ。まあ、ただ、オバマ訪問までに何を解決するがカギかも。

杜父魚文庫ブログ
オバマ米大統領の訪日にも影響か? 古沢襄
http://blog.kajika.net/?eid=995190

まあねえ。ハブ空港問題一つとっても、自民党政権下では国益を守るための調整役という政治の根幹が全くダメダメになっていたということがわかったけど、それは既得権益だらけの国内問題であって、国際問題では、属国であり続けるという、ある意味潔すぎる選択をしてきたものの、一応、現実的な対応をしてきたんだろうと思う。よくわかんないけどさ。民主党は国内の既得権益を切って行くついでに、国際問題でもアメリカは既得権益者だったとも言わんばかりに切って行くおつもりだろうか。って、外交ってそんな原理原則とか、国の大きさの違いを乗り越える平等主義とかでできるんですかね?

さて、次は支持率低下に歯止めのかかってないオバマについて書こうと思っておりますが、ちとめんどい。支持率下がっているって、なんか常態になってるしなあ。

追記:
日本が米国との秘密核協定を公表へ 平井修一
http://blog.kajika.net/?eid=995217

ウォールストリートジャーナル10月23日] 消息筋によると米国のロバート・ゲイツ国防長官は、数十年前の秘密の日米核兵器協定の調査について、二カ国の関係に影響を及ぼさせるとして今週、日本のリーダーに警告した。

その記事はたぶんこれ。

WSJ Japan Probes 1960s Nuclear Agreements With U.S.
http://online.wsj.com/article/SB125623748164901865.html

まあ、いろいろ交渉の仕方はあると思うけど、うまくいくといいですね。

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Comments

外交ってなに?

Posted by: BlogPetのsleepy | October 27, 2009 at 02:23 PM

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