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October 14, 2009

理性と善意とノーベル平和賞

ノーベル平和賞のオバマ受賞に賛否含め、いろいろ論議があるわけだが、平和賞はスウェーデンじゃなくて、ノルウェーの国会が使命する委員会が決めるらしい。つまりノルウェーの国会が決めるってことだ。まあ歴史的な経緯があってのことらしいんだが、ノルウェーから見ると、オバマは平和への大転換を果たした人なんだろうね。

ノーベル賞
http://nobelprize.org/

毎日 ノーベル平和賞:米国民は驚きと戸惑い 祝賀ムードなく
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091010k0000e030016000c.html

オバマ米大統領の09年ノーベル平和賞受賞が決まった9日、米国内の雰囲気は祝賀ムードにほど遠く、驚きと戸惑い、さらには批判の声さえも聞かれた。最大の理由は、米国民が喜びを共有できる「実績」が大統領にないためだ。「戦時大統領」への「平和賞」というイメージのギャップも大きく、支持層のリベラル派までが祝福を控えた。

昨年の大統領選を戦った共和党のマケイン上院議員は、CNNテレビで「驚いたが、我々は米国民として大統領が誉れ高い賞を得たことを誇りに思う」と祝した。

読売 オバマ氏平和賞「欧州では威光健在?」記者も驚き
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20091010-OYT1T00220.htm

驚いたのはホワイトハウス担当記者も同様。ある米国人記者は、「我々は、就任直後に希望を振りまいていた大統領の姿を思い出せなくなっているのに。欧州では、オバマ氏の威光は健在なのか」と首をかしげた。

そんなわけで特にアメリカ国内で今回の受賞について賛否両論があるようなんだが、上記記事のホワイトハウス担当記者の発言もなんだかな〜である。もうブッシュのことは忘れているのだ。私が今ごろ読んでいる「グリーン革命」の冒頭で、トーマス・フリードマンが触れているのは、アメリカの「反知性主義」が、ここまで状況を悪化させたということだ。しかしホワイトハウス担当となるような記者までが、たった1年前までの惨状を忘れているなんて、忘却も甚だしいんじゃないだろうか。

オバマウォッチを続けていて感じるのは、オバマの理想主義は必ずしもうまくいっていないこと。アフガンにもこっそり増派しているし、本当は経済対策だってうまくいってない。核不拡散もそうは進んでいない。でもそれは誰がやってもそうなる結果だろう。そんな中で、果敢にも、超難関の「医療保険改革」に取り組み、さらには気候変動問題にも対処しようとしているというのは評価されるべきなんじゃないの? 忘れすぎじゃないか??

私見だけれど、世界の各国からみれば、アメリカの経済は大事だけれど、そもそもの経済危機は、ITバブル崩壊で経済悪化を招いていたときに起きた9.11と、それにともなう戦争が招いたのではないかと思う。これがなければ、アメリカ経済が極端に疲弊することもなく、ここまでひどくなっていたかどうか、と。

そんなわけで海外からみると、平和的な理念を訴えるオバマは、戦争を押し進めたブッシュからの大転換だったわけだ。ノーベル平和賞を与えたのも、その大転換だけでなく、そのオバマがこの苦境にたたされている現状を打破するため、外部から応援したいという気持ちがあったんだろうなと思う。ジャパンハンドラーズさんが言うとおり、ひいきの引きたおしとなって、国内では受けがよくないだろうけどね。

ただ、日本としては批判したってしょうがないし、建前を言えばおめでたい話である。まあ、各方面からも祝意が届いているし。

読売 国連総長、平和賞に「心からの祝意」
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20091005-228909/news/20091010-OYT1T00019.htm

日経 オバマ氏平和賞 IAEA事務局長「もっともふさわしい人物」http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20091010D2M0903Z10.html

産経【ノーベル賞】ダライ・ラマ、オバマ大統領の受賞を祝福http://sankei.jp.msn.com/world/america/091010/amr0910100929008-n1.htm

いや、この人はまあ別ですが。

共同 オバマ氏への授与に疑問 チャベス大統領
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009101201000016.html

もうここまで来たら、日本はめちゃめちゃ喜んでることにしたらいいんじゃないだろうか。オバマも来日もすることだし、とにかく、善意だけでめちゃめちゃ祝う。手放しで。だって否定してもしょうがないし。

共同 日本、「核なき世界」構想を支持 国連委に決議案
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009101301000942.html

もちろん、それはオバマに広島と長崎をさらに考えてもらうきっかけにしてもらわねばならないだろう。ところで新しい駐日大使のルース氏は広島を今月訪問して、衝撃を受けたらしい。

共同 広島訪問でオバマ大統領に助言へ 米大使、被爆地に「深く感動」
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009101301000680.html

中国新聞 ルース米大使会見の要旨
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200910140122.html

そんなわけで、今のところ、なんとか理性と善意が反知性主義に勝っているオバマ政権だが、今後の政権運営によっては、またぞろアメリカにペイリン的反知性主義が力を増しそうだ。

だから平和賞についてはいろいろ考えたけど、もうペイリンは見たくないので、私はオバマのノーベル平和賞受賞を心から喜ぶことにしたい。まあ、心のどれくらいの深さかは別だけど。

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