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November 14, 2009

日米首脳共同記者会見

鳩山総理
(1)オバマ大統領、ようこそ日本にお出ましくださった、心から歓迎を申し上げる。銃の乱射事件という悲劇にもかかわらず、バラックが訪日してくれたことは全ての国民にとって嬉しいことであった。今回、90分に亘る大変密度の濃い議論を行うことができ、大変嬉しく思っている。バラックとユキオという呼び方もかなり定着してきたかと思っている。
(2)多岐に亘る議論を行ったが、まず、日本外交にとって日米同盟が全ての礎であるという話を申し上げ、時代の変遷、また世界環境の変化によって日米同盟をさらに深化・発展させていきたい旨、建設的、あるいは未来志向の新しい日米同盟を作り上げていきたい旨自分より提案した。
(3)来年は日米安保条約改定からちょうど50年という節目の年にあたり、ある意味で一年かけて、本日より新しい協議のプロセスを進めようという提案を行い、オバマ大統領より、まさにその通りであるとの了解を頂いた。
(4)安全保障の面から言えば拡大抑止、情報保全、ミサイル防衛の在り方、宇宙の利用といった様々な新しい安全保障のシステムを構築する必要があると思っている。しかし、日米同盟は安全保障面には限られず、防災、医療・保健、教育、環境問題といった様々な事項に関して、アジア太平洋地域を中心に日米で協力をしていくことによって日米同盟を深化させることができるということで一致した。
(5)グローバルな課題に関しても議論を行った。自分より、アフガニスタン支援に関する議論を提起し、アフガニスタンに対しては、我が国は補給支援活動ではなく、むしろ民生支援を充実させたく、5年間で約50億ドルを支出し、主として民生支援を行う、農業支援、インフラ整備、学校建設、治安強化のための警察への支援、元兵士に対する職業訓練等を行っていきたい旨述べた。このような新しい支援策に関し、オバマ大統領からも基本的に感謝する旨発言があり、今後、アフガニスタン支援に関し、可能な限り直接的に様々話し合って決めていきたい旨話があった。
(6)気候変動に関しても議論を行った。2050年までに排出量80%削減という大きな目標に関して日米で合意するとともに、COP15の成功に向けて協力していくことでも一致した。今後も中国を始めとして未だ課題が残っている様々なテーマに関し、日米でよく協力・連携していくことで一致した。
(7)核軍縮に関しても、お互いに協力することを誓い合った。
(8)核軍縮及び気候変動に関し、日米で共同のステートメントを発出することができたことは大変画期的であり、このようなことを日米首脳会談の中心的なテーマとして議論することができたことも何よりである。
(9)今回、経済の問題は必ずしも大きなテーマとして扱われなかったが、それも時代の流れかもしれない。できれば夕食時に経済問題を中心に議論を深めたい。
(10)核の問題に関連して北朝鮮及びイランの問題に関して、オバマ大統領より問題提起があり、これに対し自分からは日米で密接に協力していきたい旨述べた。また、オバマ大統領より、ボズワース特別代表が近々訪朝する可能性があるが、それは六者協議を前提としたものである旨話があり、これに対し自分は共感を持ち、支持する旨述べた。
(11)イランに関し、自分は対話と圧力のアプローチを支持し、イランとの歴史的関係を重視しつつ日米で連携を強化していくことを約束した。
(12)アジア太平洋地域における米国の重要性に関し、オバマ大統領より指摘があったのに対し、自分より、まさにその通りであり、自分が東アジア共同体を構想しているのもまさに日米同盟がその基軸にあるからこそ申し上げていることであり、アジアにおける米国のプレゼンスが高まることを大いに期待申し上げたい旨、今後、様々なレベルにおいて、東アジア全体における日米協力が進むことにより、そのことが結果として東アジアの平和と安定、そして経済の発展に大いに資することになるということもお互いに誓い合った。
(13)今回の日米首脳会談は大変意義深いものであった。改めてオバマ大統領がこのように大変忙しい日程を割いて、アジアの最初の訪問国として日本を訪問したことに関し、総理として、国民を代表して心から感謝したい。

オバマ大統領
PRESIDENT OBAMA:  Well, good evening.  It is a great honor to be making my first trip to Japan as President of the United States.  I have fond memories of visiting Japan in my youth.  I've been looking forward to this trip for some time.  I'm only sorry that Michelle and the girls could not join us.  The girls have been studying Japan in school, and so they have a great interest in Japanese culture.  And hopefully I'll be able to bring them next time.

I want to thank the warm welcome that Prime Minister Hatoyama and the Japanese people have extended.  I appreciate the graciousness with which you understood the delay that took place as a consequence of the tragedy at Fort Hood, Texas.

Japan is my first stop as President in Asia.  I began my trip here in Tokyo because the alliance between the United States and Japan is a foundation for security and prosperity not just for our two countries but for the Asia Pacific region.  In a few months we'll be marking the 50th anniversary of our alliance, which is founded on shared values and shared interests that has served our people so well and has provided peace and security for the region in an unprecedented way.

That anniversary, as Prime Minister Hatoyama pointed out, represents an important opportunity to step back and reflect on what we've achieved, celebrate our friendship, but also find ways to renew this alliance and refresh it for the 21st century.  Both Yukio and I were elected on the promise of change, but there should be no doubt, as we move our nations in a new direction, our alliance will endure and our efforts will be focused on revitalizing that friendship so that it's even stronger and more successful in meeting the challenges of the 21st century.  It's essential for the United States, it's essential for Japan, and it's essential for the Asia Pacific region.

Throughout my trip and throughout my presidency, I intend to make clear that the United States is a Pacific nation, and we will be deepening our engagement in this part of the world.  As I said to Prime Minister Hatoyama, the United States will strengthen our alliances, build new partnerships, and we will be part of multilateral efforts and regional institutions that advance regional security and prosperity.

We have to understand that the future of the United States and Asia is inextricably linked.  The issues that matter most to our people -- issues of economic growth and job creation, non-proliferation, clean energy -- these are all issues that have to be part of a joint agenda.  And we had very productive discussions about these issues this evening.

It's true that because of the strength of our economic ties, that was not the first item on our agenda, but we are fortunately going to have the opportunity to spend a lot of time discussing that in Singapore in the coming days.  As the world's two leading economies, we have spent a lot of time working together in the G20 to help bring the world back from the brink of financial crisis, and we're going to continue to work to strengthen our efforts so that we can expand job growth in the future.  And we will be discussing with our APEC partners how to rebalance our deep economic cooperation with this region to strengthen our recovery.

The Prime Minister and I discussed our cooperation on Afghanistan and Pakistan.  And I did thank the people of Japan and the Prime Minister for the powerful commitment of a $5 billion over the next five years to support our shared civilian efforts in Afghanistan, as well as the commitment of a billion dollars to Pakistan.

This underscores Japan's prominent role within a broad international coalition that is advancing the cause of stability and opportunity in Afghanistan and Pakistan.  And I shared with the Prime Minister our efforts in refining our approach to make it more successful in the coming year.

We discussed our shared commitment to stopping the spread of nuclear weapons and ultimately seeking a world without them.  Since I laid out a comprehensive agenda in Prague to pursue these goals Japan has been an outstanding partner in those efforts.  And together we passed a historic resolution in the Security Council last September.  We are building a new international consensus to secure loose nuclear materials and strengthen the nonproliferation regime.

And to that end, we discussed both North Korea and the situation in Iran, recognizing that it's absolutely vital that both countries meet their international obligations.  If they do, then they can open the door to a better future.  If not, we will remain united in implementing U.N. resolutions that are in place and continuing to work in an international context to move towards an agenda of nonproliferation.

Finally, we discussed our partnership on energy issues and climate change.  The United States and Japan share a commitment to developing the clean energy of the future and we're focused on combating the threat of climate change.  This is an important priority for us; I know it's an important priority for the people of Japan.  And we discussed how we can work together to pave the way for a successful outcome in Copenhagen next month.

So I believe that we are off to a very successful start.  I'm looking forward to continuing the conversation during dinner, as well as as we both travel to Singapore.  And I am confident that we will continue to strengthen the U.S.-Japan alliance so that it serves future generations.

Thank you very much.

官邸ホームページより和訳

(1)今回、米国大統領として初めて日本を訪問することができ、大変光栄である。若い頃に日本を訪問した懐かしい思い出があるが、今回の訪問もずっと楽しみにしてきた。ミシェルと娘たちが同行できなかったことを申し訳なく思う。娘たちは日本について学校で学んできており、日本の文化に対して多大なる興味を抱いている。次回訪問する際は、できれば彼女たちも同行させたい。
(2)鳩山総理及び日本の皆様の温かい歓迎に感謝したい。テキサス州フォートフッドにおける悲劇の結果として生じた遅れに関して、理解を示してくれた寛大さをありがたく思う。
(3)日本は、大統領として初めてのアジア歴訪の第一ヶ国目である。日米間の同盟は二国間のみならずアジア太平洋地域の平和と繁栄の礎であるため、自分は外遊をここ東京から開始した。あと数カ月で我々は、共有された価値及び利益を基調とし、日米両国民に多大な貢献をし、類を見ない方法で地域に平和と安全保障を提供してきた日米同盟の50周年を記念することとなる。
(4)鳩山総理が指摘したように、日米安保50周年は、我々が何を成し遂げてきたかを一歩離れて熟考し、我々の友情を祝うだけではなく、21世紀に向けて同盟を更新し、活気づける方途を探す重要な機会を提供する。ユキオと自分は変化を約束して選出されたが、我々が新しい方向に国家を動かしていく中で、我々の同盟は持続し、我々の努力は同盟を強化し、21世紀の課題に対応する上でより効果的なものとすべく、友情を活性化させることに焦点があてられるという点に関して疑問があってはならない。日米同盟は、米国にとって不可欠であり、日本にとっても不可欠であり、また、アジア太平洋地域にとっても不可欠である。
(5)この外遊及び自分の任期を通じて、自分は、米国が太平洋国家であり、世界上のこの地域に対する関与を深めていくことになるということを明確にしたい。鳩山総理に対しても述べたように、我が国は我々の同盟を強化し、新たなパートナーシップを構築し、そして地域の安全保障及び繁栄を前進させる多国間の取組及び地域機構に参加する。
(6)我々は米国とアジアの将来は密接不可分に結びついているということを理解する必要がある。我々にとって最も重要である経済成長、雇用創出、不拡散、クリーン・エネルギーといった課題は、全て共通議題の一部となるべきものである。そして、今晩我々はこれらの課題に関して、大変生産的な議論を行った。
(7)我々の経済的な絆が大変強固であるため、これは最初の議題でなかったことは事実であるが、幸運にも我々には、これからシンガポールにおいて多くの時間を割いてこれらを議論する機会がある。世界の二大経済大国として我々は、世界を金融危機の瀬戸際から引き戻すため、G20における協働に多くの時間を割いてきており、将来の雇用を拡大できるよう、引き続き努力を強化していく。そして我々は、景気回復を強固なものとするためのいかにして我々のこの地域との深い経済協力のバランスを取り戻すかということに関しAPECのパートナーと議論を行う予定である。
(8)鳩山総理と自分は、アフガニスタン及びパキスタンに関する我々の協力について議論を行った。そして自分は、日本国民及び鳩山総理に対して、アフガニスタンにおける我々共通の文民による努力を支援するために、今後5年間で50億ドルという力強いコミットメント、及びパキスタンに対する10億ドルのコミットメントに謝意を示した。本件は、アフガニスタン及びパキスタンの安定と機会という目的を前進させている幅広い国際的な連携の中での日本の卓越した役割を強調するものである。
(9)我々は、核兵器の拡散を止め、究極的には核兵器のない世界を目指すという我々の共通のコミットメントに関して議論を行った。自分がプラハにおいてこれらの目標を追求するための包括的な議題を提示して以来、日本はこれらの取組の中で優れたパートナーであった。そして我々は共に、歴史的な安保理決議を9月に採択した。我々は現在、管理の行き届いていない核物質の安全を確保し、不拡散体制を強化する、新たな国際的なコンセンサスを構築している。
(10)そのために、我々は、北朝鮮及びイラン情勢の双方を議論し、双方が国際的な義務を果たすことが絶対的に不可欠であるということを認識した。仮に彼らがそうすれば、彼らはより良い未来に向けて扉を開くことができる。仮にそうでなければ、我々は既存の国連安保理決議の履行において団結を維持し、国際的な文脈の中で不拡散のアジェンダに向けて引き続き取り組んでいく。
(11)最後に、我々はエネルギー問題及び気候変動に関するパートナーシップについて議論を行った。米国と日本は未来のクリーン・エネルギーを開発するというコミットメントを共有し、気候変動の脅威と闘うことに焦点を当てている。これは我々にとって重要な優先課題であり、自分はこれが日本の国民にとっても重要な優先課題であることを承知している。そして我々は、来月のコペンハーゲンにおける成功裏の結果に向けて道を開くべく如何にして協力していけるかについて議論を行った。
(12)従って、自分は我々が大変良いスタートを切れたと信じている。会話の続きを夕食会及びシンガポールへの訪問の中で行うことを楽しみにしている。そして自分は、未来の世代の為に、我々が引き続き日米同盟を強化していくと確信している。

(質疑応答略)

The United States and Asia: "Inextricably Linked"
http://www.whitehouse.gov/blog/2009/11/13/united-states-and-asia-inextricably-linked

Remarks by President Barack Obama and Prime Minister Yukio Hatoyama of Japan in Joint Press Conference
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/remarks-president-barack-obama-and-prime-minister-yukio-hatoyama-japan-joint-press-

首相官邸
日米首脳共同記者会見(発言内容テキストあり)
http://www.kantei.go.jp/jp/hatoyama/statement/200911/13usa_kaiken.html

このうち成果文書として発表されたもの
日米クリーン・エネルギー技術協力
http://www.kantei.go.jp/jp/hatoyama/statement/200911/13usa_kaiken.html
気候変動交渉に関する日米共同メッセージ
http://www.kantei.go.jp/jp/hatoyama/statement/200911/13usa_kaiken.html
「核兵器のない世界」に向けた日米共同ステートメント
http://www.kantei.go.jp/jp/hatoyama/statement/200911/13usa_kaiken.html

加えてアフガニスタン民生支援として5年間で50億ドル(5000億円)。

首相官邸のホームページにもビデオはあるが、張り付けられない。
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2848.html

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