September 10, 2015

再生可能エネルギーは絶対善か?

原子力発電所の再稼働前後に少し前のNHKの日曜討論で議題になったりしていたので、電気というか再生可能エネルギーや火力発電や原子力発電について少し考えてみたい。

あらかじめ宣言しておくが、私は再稼働賛成派だ。エネルギー問題に長年関わっているので知識だけは一般の人より豊富にあるということもお断りしておく。

なのになぜ改めて考えるかというと、日曜討論で「ドイツが再生可能エネルギーを大量導入できたから日本もできる。やるべき」という発言を聞いて少し考え込んでしまったから。

これは再稼働反対派や2030年脱原発派からよく聞く論で、率直に言って状況認識に間違いも多い。ドイツが再生可能エネルギーを大量導入しているといっても、欧州大に広がる電力ネットワークからいえば一地方に大量に入っただけ。しかも欧州大停電の発端になるなど周辺に迷惑かけまくっている。ドイツ国民は高い電気料金を我慢しているし、一方で、電力市場では、マイナス価格が発生するほど荒らしている、それは自国の火力発電所の存続も危機に陥れるほどだ。バックアップ電源である火力のない再生可能エネルギーなんてありえないので、大いなるパラドックスを生んでいるというわけ。ドイツは再生可能エネルギーに舵を切り、福島の事故で再度脱原発に大きく舵を切り、温暖化で火力悪者論にも舵を切り、つまり、いろいろ舵を切りすぎて方向を見失っているようなところがある。

だから上記のドイツ羨望論なんて頭から否定してもいいんだけれど、確かに新しい事態に挑戦するのは、何か意味あるかもしれないと思ったのでちょっと考えてみた。

「日本でもやればできる」と言われればそうかもしれない。いや、脱原発じゃなくて、再生可能エネルギーを大量に、それこそドイツ並みに26%程度に導入することについて。意外に少ないって? 実はドイツだって、設備容量ではなく発電量でみると、再生可能エネルギーの位置付けはまだそんなもの。ちなみに原子力発電も動いているし。

それはさておき、日本において、どのように変動電源である風力発電と太陽光発電で発電量の4分の1を賄うようになれるかを考えてみたい。まず、国内の系統増強を行い、大量の蓄電池を入れ、半強制的にデマンドレスポンスを義務付け、高い電気料金や唐突な節電、充電を我慢する。これならばいけるか。我慢したくない? じゃあ、韓国と海底ケーブルで系統をつなぎますか。今、韓国は電力危機後の野放図なLNG開発によって、ものすごく電気が余っているみたいだから…。あ、天気が良くて風が吹いて、休日で、電気が余った時は最悪かも。

いずれにせよ、再エネ特措法(FIT)のスキームで増やしていくならば国民平等に徴収される賦課金は高くなり、さらに系統増強や蓄電池への投資があって、総合的には電気代は高くなり、製造業は苦しくなり、火力比率の低下で電気の安定性は失われていくわけだ。台風が来れば、手抜き施工の太陽光は壊れ、何パーセントかの電源が失われる。まあ素敵な未来(苦笑)。あとは原油安に期待するしかない。

じゃあ悪いことばかりかというと、そうばっかりでもない。もしこれをやろうとすればスマートグリッド技術の導入は必須だし、蓄電池技術も進むかもしれない。田舎のガソリンスタンドがないところに、風力や太陽光を電源とする蓄電池電気スタンドがあってもいい。プラグインハイブリッドにはぴったりじゃない? また、デマンドレスポンスモデルができて、パッケージで海外に売れるかも。国内インフラ投資が増えるため工事業界も活況となりそうだ。円高不況の時に、国策で電力業界が無理やり投資してたみたいに。おお、バブルの再来か(苦笑)? それに、もう再生可能エネルギー導入の流れは世界的に止めようがないというならば、その技術を磨いたほうがいいのではないかとも思うし。

ただ、日曜討論で「やればできる」論を唱えた方は、「10年くらい我慢すればドイツ並みになれる」と言っていた。これもよく聞く話である。発言者が経済学者という点がひっかかるが・・・、まあ、そうかもしれない。せっかくの円安を電気代の高騰で潰して製造業は相変わらず低迷し、蓄電池とスマートグリッド技術、電気自動車技術だけ伸ばし、工事業界が活況になるのみの10年。多分、失われた40年になるだろうな。ちなみに太陽光パネルなんて日本の製造機械を買えば他の国でも作れるから、産業としては期待できない。そもそも10年たって、ドイツでスマートグリッドが進んだかというとそうでもないし、Qセルズは今や韓国資本。残っているのは自動車やシーメンスなどの昔ながらの製造業なんだけど、製造業は電気代が優遇されているそうだ。

電力取引市場でマイナス料金が発生するような事態になれば、需要家の電気料金も安くなるって可能性もある。確かにそれは需要家にとってはいいことなんだけど、ただ増エネになるだけだし、電力なんていう、ずうっと面倒を見続けなければならない設備産業で損が出ると、事業自体が維持できなくなってくる。ある程度余裕がないと、大変危険な状態になるんだよね。まあ、今、電力会社は皆、その状態にあるんだけど。

と、ここまで現状をもとに考えてきたんだけど、ふと、表題の疑問が浮かんだのだ。ところで「再生可能エネルギーは絶対善」なのか? 普及すればするほどに、徳が積まれ、我々は昇華していくのか? 解脱するのか日本? みたいな。

再生可能エネルギーは自然にあるエネルギーを使い、二酸化炭素を出さず、確かに原子力発電のように放射性物質をばらまく危険も、村や町ごと避難させられることもない。太陽光を屋根におけば、自分で発電して自分で使うことができる。下手すれば自動車の動力にも、災害が起きた時の緊急事態にも対応できる。これは抗いがたい魅力だ。エコで防災な気分を満喫する感じがしてとても素敵だ。お金があればぜひやりたい。でもそれって絶対善?

この間の台風で、九州地方にあった太陽光発電設備(FITでできた設備のようだけど)のうち、ずさんな施工のものが吹き飛ばされて、近隣住居を破壊したりしていたし、それを復活させるにはまた投資が必要だよね。それにFITは国民みんなにその投資を負担させている(吹き飛ばされたものの再建分は含まれない)。前の段落で、「お金があればぜひやりたい」と書いた通り、資金に余裕がある人が手がけるものだ。その資金は、国民全体から回収できるんだ。長期的に見れば持ち出しゼロ、むしろ儲かるかも。だからいいよね!…あれ? 結局、貧乏人から巻き上げるだけじゃん?

いやいや、二酸化炭素の削減になるという面もあるさ。うん。そうそう…。火力は長期的に温暖化をもたらすチョイ悪だからね。でも、全く風が吹かなかったり、最近みたいに悪天候が続けば、電気は火力で賄わないといけない。原子力が動いていたとしても、再生可能エネルギーの発電量の変動には付き合えないから。ということで、再生可能エネルギーと同じだけの火力を、使わなくても維持しなきゃいけないんだけど。確かに燃料代はセーブできるけど、供給側としては同じ規模の設備を持ってないと安定供給できないよね。メンテもあるからむしろ火力は余分に持たないと…。あれ、設備増えるばっかりだな。震災直後、「需要より供給力が大きすぎる、無駄な投資をしてる!」って批判を聞いたような…。

というわけで原子力が絶対悪の扱いを受けているのと対照的に、絶対善の扱いを受けている再生可能エネルギーだけど、結局のところ、絶対善でもないんだよね。もともと、エネルギーなんていう技術的な生産物に絶対善も絶対悪もありえない。絶対悪のほうについて書いてもいいけど、長くなるから今日はやめとく。いずれにせよ絶対善の仮面が剥がれたからには、再生可能エネルギーも、発電したものを、なんの対策もせず全量高値で買い取るなんて制度は続けられないし、一定の制限や義務があるべきなんだと思う。

エネルギーは総合的に満たされていないと意味がないから、生活の安全、経済性、安全保障、持続性、すべてが丸く収まる、というより、すべてが少しずつリスクがあるけど、全体的にカバーできてメリットが出るような比率で、供給するのがベストだと思う。それをエネルギーミックスっていうようになったのは、それまで使っていた「ベストミックス」が恣意的、って民主党政権が言ったかららしいんだけど、そんなのただの言葉狩りにすぎないよね。まあ、いずれにせよ、オイルショックで石油頼みから、原子力や石炭、ガスなどに多様性を広げたのだから、再生可能エネルギーもその一つ程度の扱いでいいと思うよ。

技術論、経済論抜きの、絶対安全を叫ぶエネルギー論なんて、もううんざり。理知的で真面目な議論を望みます!

|

November 08, 2009

医療保険改革法案下院通過とTwitter祭

Twitterって140字しかないし、即興だし、レギュラーのサイトはめちゃめちゃ使いづらい(苦笑)ので、余り得意じゃないのだが、朝遅く起きてTwitterを開いたら、今日が米国の医療保険改革法案の下院投票日だということが判明し、唐突にTwitterとインターネット生中継で、オバマ大統領も含めて実況中継をフォローする事に…。いやいや、みなさまにはお世話になりました。特に米流時評のysbeeさん、どうも解説ありがとうございました。英語わからないんで…。

そんなわけで、下院の可決には218票必要なんだが、ぎりぎりの220対215で医療保険改革法案が通過した。これは歴史的なことだそうで。

日経 米下院、医療保険改革法案を可決 上院審議や法案一本化焦点
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091108AT3K0800308112009.html

現在80%台半ばの保険加入率を96%に引き上げることや、新たに公的保険を創設することなどが柱。上院は独自の法案を検討しているが、調整が難航している。その後には両院で法案の一本化作業も必要になる見通しだ。

まあ、不肖JINも通ったときは、「成立!」とつぶやいたわけだが(注:可決が正しいです)、オバマも「歴史が作られた」とつぶやいた。
3

圧倒的な過半数を誇る民主党下院勢力なのだが、39票もの反対票があったので、ギリギリになってしまった。しかしそこに1票の共和党賛成票が。カオさんという多分中国系でニューオリンズの議員らしい。ニューオリンズは民主党が強い地域である、ということも影響していると思われるが、いずれにせよ、これも歴史的なことらしい。

NYT Health Bill Earns One Republican Vote
http://prescriptions.blogs.nytimes.com/2009/11/08/health-bill-earns-one-republican-vote/

今回下院を通過した法案はこちらで読めます。
http://docs.house.gov/rules/health/111_ahcaa.pdf

この投票なんだが、投票前にはオバマ自身がTwitterで、自分の州の議員に賛成を呼びかけようと呼びかけた。その結果が下のリンクなんだが、これを見ると、意見はやはり沿岸部に多いわけで、このあたり、赤い州と青い州が今だ分断されていることを感じさせる。

4

2_2

http://www.barackobama.com/twitter/tweetyourrep/

Twitterといえば、マイケル・ムーアもTwitterで電話しようと呼びかけていた。とにかくTwitterは大賑わいだったわけだ。

そんなわけでなんとか無事下院を通過した医療改革法案だが、次は上院である。オバマも声明で、上院は下院に続かねばならないと言っている。

ホワイトハウス
Statement of President Barack Obama on House Passage of the Affordable Health Care for America Act
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/statement-president-barack-obama-house-passage-affordable-health-care-america-act

上院では4法案が出ており、こちらはこれから審議する。上院は100票中60票を民主党が取っていたはずで、可決は51票あればいいわけだけど、問題はフィリバスターとかいう、議事妨害。反対したい人はず〜っと演説を続け、投票を妨害することができるという制度。映画「スミス、都へ行く」がそれだったような気がするな。まあスミスのように意味のある戦いならいいのだが、どっちかというと重要法案を潰したい勢力が使う手であり、今まで温暖化法案などこれがあって成立してこなかったのだ。ただ60票あると、フィリバスターの打ち切り動議が出せるらしい。

で、60票ギリギリの民主党だが、これって確か、リーバーマンも数えていたはず。リーバーマンは民主党だったのだが、前回の大統領選でマケインを支持し離党している。そして、医療保険改革にも反対している。だがこれまでに、フィリバスターには加わらないと言っており、全員が出席すれば60票は確保できるだろう。

Politics Daily
Lieberman Reportedly Agrees Not to Join Health Care Reform Filibuster
http://www.politicsdaily.com/2009/11/03/lieberman-reportedly-agrees-not-to-join-health-care-reform-filib/

ysbeeさんによると、共和党からも3票の賛成票が見込まれており、こうなると民主党から何人か離反者が出ても、可決される可能性は高いようだ。

最後に、このTwitter祭において、名つぶやきがあったので記しておこう。

5_2

Continue reading "医療保険改革法案下院通過とTwitter祭"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 05, 2009

オバマの1年と11月4日

昨年の11月4日を思い返してみれば、なんだか大騒ぎの、世界中がウキウキした感じの、共和党右派以外はハッピーな日だったんじゃないだろうか。

しかし今年の11月4日は様相が異なるようだ。

1.州知事選での敗北

ロイター Democrats get warning shot for 2010 elections
http://www.reuters.com/article/newsOne/idUSTRE5A20QL20091104

バージニアとニュージャージーの知事選で共和党に負けたそうだ。オバマもキャンペーンに参加していただけに、この敗北は大きいようだ。来年は中間選挙の年なので、民主党に危機感が走っているようだ。ということは2009年中にいろいろ決めないと、何も決まらなくなるな。医療問題とか温暖化とか。

2.イラン問題

11月4日といえば、実は、米大使館人質事件が発生した日。今年はあれから30年で、イランではそれを祝って(祝うってのも微妙だが)反米デモが行われたらしいのだが、別途、反イラン政府抗議デモも行われ、これに対して機動隊が出動。催涙弾などを投じ、数千人を拘束し、デモ隊を解散させたというのだが…。

AFP テヘランで反政府デモと機動隊が衝突、イラン
http://www.afpbb.com/article/politics/2659846/4851778

毎日 イラン:テヘランで反政府デモ
http://mainichi.jp/select/world/news/20091105k0000m030066000c.html

どうもyasbeeさんがTwitterで伝える様相では、かなり激しいようなのだ。

Ysbeeさんのツイッター
http://twitter.com/ysbee

【イラントランスレーターさん】9時間経っても、抗議運動はイラン中でまだ続いている。 @Iran_Translator 9 hours on, prtoests still continuing in Iran #Iran #13Aban #iranelection

今日初めてリンクをいただいたxoix さんから、大きなニュースが入ってきました「人々はIRAイラン革命評議会のビルの真ん前に集まってきている」日本で言うと国会のような、政府の中枢部です。30年前のイスラム革命以来、こういう事態はこれまで一度も起きてなかったはず。

BBCが伝えているのを見つけた。

BBC Iran witness: Protest videos
http://news.bbc.co.uk/nol/ukfs_news/hi/newsid_8340000/newsid_8342700/8342738.stm

イスラエルがイランの武器輸送船を拿捕したらしい。

USFLイスラエルが武器船拿捕 イランからヒズボラ向けか
http://www.usfl.com/Daily/News/09/11/1104_032.asp?id=74706

明日、アフマディネジャドが声明を発表するようだ。

3.低金利維持を発表

ロイター Fed sees rates near zero for extended period
http://www.reuters.com/article/topNews/idUSTRE5A01A620091104

経済は回復し始めているが、0.25%という超低金利政策は続けますとの発表を行った模様。これで一度、株価が下がったのだが、その後上げ、さらに大きく下げた。これはいいも悪いもないけどね。

NYSE
http://www.google.com/finance?client=ig&q=NYA.X

そんなわけで、昨年の11月4日と違い、今年の11月4日はオバマにとっては打撃も大きかっただろうな。一生懸命やっているように見えるけど、世界はそう簡単には良くはならない。悪くなるときは早いけど。

ところで田中宇さんとgooの加藤さんの記事が面白かったのでリンクしておく。

田中宇
沖縄から覚醒する日本
http://tanakanews.com/091104okinawa.htm
アメリカはわざと沖縄を怒らせて、中国と日本が世界の中心になるようにしむけているそうです。面白い見方だな。

goo Japanなニュース
こんどは中国が日本みたいになるかもしれないと英紙警告
http://dictionary.goo.ne.jp/study/newsword/wednesday/20091104-01.html
中国のバブルがはじけそうとのこと。はじけると日本みたいになっちゃうんじゃないかと欧米が心配中らしい。そのバブルあおってるのは欧米なのに。加藤さんの締めの言葉に共感を覚える(笑)。

| | Comments (4) | TrackBack (1)

November 03, 2009

オバマ大統領選出から1年、支持率は過半数を維持

明日で大統領選挙から1年。アメリカではあの時の熱狂はどこに?って感じで支持率落ちているけど、CNN調査では過半数は維持しているらしい。

CNN オバマ大統領、支持率過半数を維持 米大統領選から1年
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200911030015.html

調査は10月30日から11月1日にかけ、米国の成人1018人を対象に電話で実施した。それによると、オバマ大統領の支持率は54%、不支持率は45%だった。
(中略)
それでも57%はブッシュ前大統領よりもオバマ大統領の方が良いと答え、ブッシュ前大統領の方が良かったとする回答は全体の3分の1にとどまった。

ブッシュのほうが良かった人が3分の1もいる方が驚きなんだが。

元の記事はこちら。

CNN Poll: 54 percent approve of Obama
http://edition.cnn.com/2009/POLITICS/11/03/obama.poll/index.html

オバマの今の最大の課題はアフガンだろうな。北朝鮮やイランもあるけど、やはり戦争をしているアフガンは大変。gooの加藤さんの記事が気になる。

ニュースな英語
アフガンとベトナムの共通点は多く、オバマ氏は失意の大統領になりかねないのか
http://dictionary.goo.ne.jp/study/newsword/monday/20091102-01.html

そういえば、今日、ブッシュが日本に来て、日本シリーズでジャイアンツのユニフォーム来て始球式してた。ワンバウンドはしたけど、きちんとキャッチャーのところに飛んでいたし、さすが野球チームのオーナーである。ただし、投げた後、ポンポンって阿部の頭叩くのはどうよ。

ところでブッシュを招いた民間企業ってどこなんだろう?

| | Comments (2) | TrackBack (0)

November 01, 2009

国連の核廃絶決議

毎日 オバマの核なき世界:日本「核軍縮へ弾み」 全廃決議案、国連委採択
http://mainichi.jp/select/world/news/20091030dde007030015000c.html

日本が提案した核兵器全廃を目指す決議案が国連総会第1委員会で29日、過去最多の170カ国の賛成を得て採択されたことは、国連加盟以来、多国間外交の場で核軍縮を模索してきた日本にとり画期的な成果といえる。日本政府は「核軍縮への大きな弾み」と評価。オバマ米大統領の唱える「核兵器なき世界」の実現にも貢献すると見ている。

これって何のことかなあと思ったら、ずいぶん前から日本が提出していた核廃絶決議案が通ったってことなのね。わかりづらい。

日経 日本の核廃絶決議を採択 国連委、米含む170カ国が賛成
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091030AT2M3000K30102009.html

同様の決議採択は16年連続で、すべての核保有国に透明性の高い手法で核軍縮に取り組むよう要請した。

 採決では共同提案国に初めて加わった米国が9年ぶりに賛成に回った。

「オバマの核兵器なき世界の実現にも貢献する」のかねえ? アメリカが加わったのが大きいのはわかるけど、この問題で日本がちとはしゃぎ過ぎなのが気になる。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

国は負担しなくても国民は負担する

朝日 太陽光発電、全量買い取りへ 来年度、菅副総理が方針
http://www.asahi.com/business/update/1031/TKY200910310292.html

菅氏は31日、東京都内での講演で、「来年度からやろうと思っている。(国が)1円も金をかけないで太陽光パネルがばっと増えるやり方がある。全量固定価格買い取り制を決めればいい。(パネルを設置した家庭が)1キロワットあたり50円で(電力会社に)売り、キロワット当たり20円で(電力会社から)買ってくれば30円得する」と語った。

へ? 1円もかけないってことは、政府補助なしってことだろうけど、国民は負担するよね??

11月から始まる太陽光発電の余剰電力買い取り制度は1kWh48円。電気料金は各社違うけど、確か全国平均で1kWh22円程度のはず(もしかしたら24円くらいかも)なので、倍程度の価格で電力会社が買い取る。けれど、そのコストは広く一般に電気料金に上乗せされることになる。太陽光発電を導入していない一般家庭では将来的に数十円から100円程度の負担増が見込まれているわけだ。

なお太陽光発電設備に対する補助金額は1kW7万円で、補助金を受ければ3.5kWで約185万円となるそうだ。ということは、元値は210万円程度と思われる。とりあえず地方自治体による補助は無視しておく。

産経 太陽光発電買い取り新制度 10年ほどで導入コスト回収
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/091031/sty0910310732001-n2.htm

経済産業省が今年1~3月に個人から受け付けた補助金申請実績をもとに平均価格をみたところ、新築住宅では、標準的な出力3・5キロワットのシステムで約185万円。既築住宅の場合は約225万円かかる。導入にあたっては、1キロワット当たり7万円の補助が国から出るほか、自治体の補助などもあり、同省は新築で10年ほど、既築では15年ほどで導入コストを回収できるとしている。

太陽光発電普及拡大センター
http://www.j-pec.or.jp/02gaiyou.html

そんなわけで正しいかどうかわからないけど、ちょっと計算してみようと思う。適当な計算であることを念頭に置いておいてください。とりあえずざっくりとなんで。

★太陽光発電設備 出力3.5kWの場合

NEDO 太陽光発電システムの発電量算出例
http://www.nedo.go.jp/nedata/16fy/01/b/0001b005.html

1(kW)×0.12×365(日/年)×24(時間/日)=1,051.2(kWh/年)

ということなので1ヶ月平均の発電量は

1051.2÷12×3.5=306.6kWh

現行制度は自宅で使った分は含まれないので、昼間の家庭での消費量がどの程度なのかはわからないけど、発電量の4分の1程度しか使わないとすると、230kWh程度が電力会社の買い取りとなる。(家に人がいるともっと使うと思うが)

売電による1ヶ月の収入
230×48=11040円

すると単純計算でいくと、太陽光発電設備については14年でもとが取れる計算。

1850000÷12096=167.5ヶ月=14年

あ、あれ? 記事と違うなあ。まあ、最近は効率が良くなっているから、回収期間も短くなっているのかも。

しかし売電収入はあるが、夜は発電していないので、電気料金は発生する。しかも一般家庭は夜のほうが電気を使用するので要注意。よくある太陽光発電詐欺は、夜の電気料金が発生することを説明しないで売りつけるので、なんだ儲からないじゃんということなのかも。既築住宅の設備費はもっと高いし、設備導入費はローンだから、トータルではこの試算よりさらに長期間かかるはず。あと多分、メンテナンス費用もかかる。

じゃあ、菅氏ご推薦の全量買い取りだとどうなるんだろう。

売電による1ヶ月の収入

306.6×48=14716円

現行制度と違って、発電している間でも使った分の電気料金は発生するので、現行制度と条件を同じくすべく、その分を引いてみよう。発電量の4分の1を使ったとして…

14716ー77×22=13022円

国が1円も出さないので210万円の太陽光発電を入れると…。

2100000÷13022=161ヶ月=13.4年

あんまり変わらない…。つまり、一見、全量買い取りは良さそうに見えるけど、補助金がなければあまり変わらないわけだ。もちろん夜間の電気料金は必要だし。

しかも全量買い取りの場合、同じ規模の設備でも電力会社の買い取りコストは一気に増える。買い取りコストは電気料金にオンされるはず。電気料金が上がると、太陽光発電の導入メリットの幅は若干小さくなることにも注意しないと。

年を追うごとに太陽光発電設備は安くなるだろうけど、電力買い取り価格も下がるから、設備導入者の負担はあまり変わらないのかもしれない。

こうしてみると、菅氏発言の問題点は、国は補助金がなくなって太陽光も増えてホクホクかもしれないけど、国民は電気料金が上がって貧乏人は困るってところに触れていないことだろう。そこは無視していいのだろうか。

燃料電池や風力も同じ条件で買い取りしろとかという話もあるわけだが、そうなると電気料金がますます上がるだけ。それに全量買い取りで増える設備機器の負担や、太陽光の不安定な出力制御のためのコストは誰が払うんだろ。

………ああ、国民でしたね。そうでした。地球環境対策は何やったって負担はあるだろうから仕方ないけど、国民負担を忘れて、国が1円も払わないからいいだろって言うのもどうかと思うよ。太陽光を入れられない人にとっては、税金で払うか、電気料金で払うかの違いでしかない。それに源泉徴収票には太陽光の補助金用という項目はないけど、電気料金には太陽光分が書かれることになったようだから、一般国民はシビアになると思うよ。うん。

Continue reading "国は負担しなくても国民は負担する"

| | Comments (3) | TrackBack (0)

October 30, 2009

医療保険改革、巻き返し中

オバマのTwitterで「Congrats」と言っているので何かと思ったらこれだった。

時事 下院法案、公的保険の導入明記=医療保険改革で−米議会民主党
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009103000028

【ワシントン時事】米下院民主党は29日、オバマ大統領が内政の最重要課題に掲げる医療保険制度改革の実現に向け、下院本会議に提案する法案を発表した。最大の焦点である公的保険制度の導入を明記。政府が「妥当な価格」で加入できる保険を提供することで、全米で約4600万人の無保険者の解消を目指す。11月上旬にも本会議で審議入り、早期可決の上で上院との一本化を加速させる考えだ。

Reuters House takes another step on healthcare reform
http://www.reuters.com/article/topNews/idUSTRE59M4PB20091029

ホワイトハウス
Statement from President Obama on the Affordable Health Care for America Act
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/statement-president-obama-affordable-health-care-america-act

“I congratulate the House of Representatives on the introduction of the Affordable Health Care for America Act, another critical milestone in the effort to reform our health care system.

上院でもリード院内総務の尽力で、公的保険が法案に復活している。

産経 米上院の医療保険改革法案に公的保険復活 リベラル派の巻き返しで
http://sankei.jp.msn.com/world/america/091027/amr0910271850006-n1.htm

 【ワシントン=渡辺浩生】米上院が本会議に提出する医療保険改革法案に、政府が運営する公的保険の新設方針が盛り込まれる方向となった。民主党のリード上院院内総務が26日、記者会見で明らかにした。財政委員会で先に可決された案では、政府の介入強化に反対する保守派に配慮して導入が見送られたが、導入を強く主張する民主党リベラル派の巻き返しで“復活”した形だ。

上院も下院も法案が通過するかはわからない。リーバーマンは反対すると言っているしねえ。さて、どうなりますやら。

いい話としては、これも。

毎日 米GDP:プラス成長に 5四半期ぶり、年率3.5%--7~9月
http://mainichi.jp/life/today/news/20091030ddm001020023000c.html

| | Comments (4) | TrackBack (0)

October 28, 2009

お金持ちペイリン


"Going Rogue: An American Life" (Sarah Palin)

WAPO Palin paid $1.25M for book by time she left office
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/10/27/AR2009102701893.html

元副大統領候補のペイリンが本を出すらしい。本のタイトルは"Going Rogue"っていうんだけど、なんだろ、「ならず者への道」とかかなあ。rogueってならず者国家とかってブッシュが表現したときの言葉だしな。そんで既に125万ドルくらいもらったらしい。ざっと1億2500万円です。買う人いるんですかね? いるんでしょうね。はあ。映画になったりするのかな。ぞ〜っとしますが。

お願いだから出てこないでってば。見たくないのに拾っちゃうんだから。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

オバマがスマートグリッドを推進中

Smartgrid1_2

メガソーラーの中に立つオバマが電力系統強化を発表したそうな。

NYT Obama Promotes ‘Smart-Grid’ Projects
http://thecaucus.blogs.nytimes.com/2009/10/27/obama-promotes-smart-grid-projects/

34億ドルの電力網の近代化に向けた政府投資をするそうで。

ホワイトハウスのホームページにもあった。

ホワイトハウス
The Smart Grid: Creating Jobs, Saving Energy and Cutting Electric Bills
http://www.whitehouse.gov/blog/2009/10/27/smart-grid-creating-jobs-saving-energy-and-cutting-electric-bills

これが発表文書らしい。

President Obama Announces $3.4 Billion Investment to Spur Transition to Smart Energy Grid
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/president-obama-announces-34-billion-investment-spur-transition-smart-energy-grid

WAPO President Obama delivers remarks at solar energy center
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/10/27/AR2009102701753.html


先週はクリーンエネルギーについてMITで演説。

Remarks by the President Challenging Americans to Lead the Global Economy in Clean Energy
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/remarks-president-challenging-americans-lead-global-economy-clean-energy

A Challenge for America
http://www.whitehouse.gov/blog/A-Challenge-for-America

| | Comments (6) | TrackBack (0)

オバマVS鳩山政権 炎上か??

オバマ来日前に日米関係に亀裂かもというエントリを書いたけど、その後もフォーリン・ポリシーだのウォールストリートジャーナルなどで、対日批判や懸念が続いているらしい。極東ブログ(finalvent)さんが紹介している。

極東ブログ
フォーリン・ポリシー誌掲載マイケル・グリーン氏寄稿をめぐって
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2009/10/post-cf36.html
ウォールストリート・ジャーナル紙社説は鳩山政権に怒りを表しているようだ
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2009/10/post-2e64.html

極東さんのところにもリンクはあるけど、一応こっちにも原文リンクを貼っておく。

FP Tokyo smackdown By Michael J. Green
http://shadow.foreignpolicy.com/posts/2009/10/23/tokyo_smackdown

WSJ Tokyo Defense Kabuki
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704335904574496433041057944.html

フォーリン・ポリシーのほうのマイケル・グリーンってジャパンハンドラーらしく、いつも懸念を表明するし、ウォールストリートジャーナルもいつも批判的なので、どれくらい深刻なのかいまいちわかりづらい。WSJは現在、不況で不振のUSAトゥデイを抜いて全米1位の読者を誇っているようなんだけどね。さて、どうなんだろう?

| | Comments (0) | TrackBack (0)

より以前の記事一覧